あのRIZAPが目論む建設業界の「ゲームチェンジ」

内藤 忍

あの「結果にコミットする」RIZAPグループが「RIZAP建設」を立ち上げ、本格的な建設業界への参入を発表しました。

RIZAPグループはコンビニジム「chocoZAP」を短期間で爆発的に大量出店させた実績があります。1年間で最も多く(1020店舗)オープンした24時間営業のフィットネスジム・センターということでギネスブックにも認定されました。この実績を自社の設備だけではなく外販していくことになります。

大手ジム運営会社が建設業に参入するというニュースを聞くと一見突飛な異業種参入に見えますが、その裏には経済構造の変化を先取りし、業界のゲームチェンジャーになろうとする野望を感じます。既存の建設業界の旧態然とした構造を根底から破壊する可能性があると思います。

他社にはない差別化として資材の直取引、職人の直雇用、そして直接の分離発注を行うようです。従来の日本の建設業界の慣行である元請けから何層にもわたる多重下請け構造から生まれる中間マージンコストを削り、工期の短期化を実現するのが目的です。

他業態で例えればユニクロ(ファーストリテイリング)が実現したような製造小売業(SPA)の仕組みを建設の世界に持ち込もうとしています。

さらにユニークなのが人材の確保です。人手不足にあえぐ建設業界に対して、グループ内のホワイトカラー人材500人をリスキリングして投入するという労働力のシフトを断行します。日本の伝統的な大手企業ではこのような大胆な人事政策は不可能でしょう。

しかも、同社は昨年後半からすでにテストフェーズに入り約半年間で186店舗30億円の完遂実績を上げているそうです。chocoZAPの実績では通常費用から25~30%のコストを削減し、通常工期の2倍速で適正品質にコミットしているそうです。

人材の転用が果たして思い通りに進むのかどうかには不確定な要素もありますが、これまでの実績を見れば期待感は膨らみます。

RIZAPグループの株価は200円台で低迷しています。

建設コストの高騰や労働力不足でマンションやターミナル再開発が遅れる事案が続出している中で「結果にコミットする」会社が1年後に建設業界でどんな結果を出すのかが今から楽しみです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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