実質賃金前年比0.5%減の4年連続マイナスでスタグフレーションの足音

厚生労働省が22日に発表した2025年度の毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上)によると、実質賃金は前年度比0.5%減となり、4年連続のマイナスとなった。名目賃金は約3.0%程度上昇したものの、物価高に賃金の伸びが追いつかず、家計の購買力が低下した状況が続いている。政府や大企業に有利な「名目プラス・実質マイナス」の構図を強く印象づけている。

  • 各社の記事は一様に物価上昇の影響を強調した。名目賃金は春闘の高水準賃上げや最低賃金引き上げで33年ぶりの高い伸びを示したが、消費者物価指数が約3.5%上昇した結果、実質では目減りした。
  • 企業の利益は増えていくが、賃上げされにくいポジションの労働者にとっては長い冬の始まりであり、生活が立ち行かなくなる前に転職するしかない。
  • 名目賃金が2年連続で2%超の伸びを記録した一方、実質賃金が4年連続マイナスである矛盾が日本経済の現実を象徴している。
  • 労働生産性がG7最下位に低迷する中、政府の補助金や低金利政策による補助金依存企業が構造改革を遅らせ、国内格差を拡大させている。
  • 大企業の海外収益と一般労働者の苦境の対比が浮き彫りとなっている。
  • 政府の物価対策、特にガソリン補助金などの数兆円規模支出がインフレを加速させ、実質賃金をさらに押し下げているとの分析が目立つ。補助金ばらまきより利上げによるインフレ抑制を優先すべきだとする声が強まった。
  • 典型的なスタグフレーションの前兆であり、インフレ下での減税公約が「インフレ税」となって手取りを減らす逆効果を生んでいる。
  • 官製春闘の限界が露呈し、日本がやっと「普通の国」になりつつある側面もある。

この実質賃金4年連続マイナスは、物価高と低生産性の構造問題を象徴している。政府が補助金や金融緩和の弊害を是正し、利上げを優先したインフレ抑制と生産性向上策を講じなければ、家計負担の増大と経済停滞はさらに深刻化するだろう。

切り詰める余地は限られている PonyWang/iStock

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