富士通のAI人事異動アプリが「98%工数削減」で人事部の業務が激減?

富士通は5月20日、企業の人事異動案を自動提案するAIアプリを開発したと発表した。機械工具卸売大手のトラスコ中山に4月から導入され、異動案作成にかかる工数を約98%削減した実績を挙げた。

【参照リンク】富士通、AIが人事異動案を作成 工数を約98%削減 日経新聞

  • 組織が大きくなると人事異動は巨大なパズル合わせとなる。ある課から異動させると後任をどこから補充するか、本社・支社・工場間の転勤も絡み、複雑怪奇な連鎖が生じる。
  • 従来は人事担当者の経験や暗黙知に加え、元嫁や不倫相手といった人間関係の事情まで考慮する必要があり、非常に大きな労力を要してきた。
  • AIはこの法則性のあるドラフト作成が得意分野で、約100人規模の配置でも10の158乗通りという膨大な組み合わせを瞬時に最適化する。
  • 「人事の職人芸がAI化」「日本企業の人事DXが進む」と効率化を評価する声が多数を占める一方、「人事部いらなくなる」「残り2%の最終確認が切ない」「働く側もデータ化される」とAI失業への懸念も目立つ。
  • また、アメリカ企業はAIを口実に大規模レイオフを進めるが、日本では希望退職で社内失業の中高年ばかりが残る構造が問題視されている。
  • 欧米では大卒就職率の悪化や名門大学卒フリーター増加がみられ、新卒労働市場へのAI影響が顕在化。日本企業もAI要員の外注と新卒採用停止が進めば雇用空洞化が進む恐れがある。
  • 注目すべきは残り2%の人間判断である。AIが叩き台を作り、人間が暗黙知や微妙な調整を担う。この役割分担がAI時代の仕事の姿と言える。

この取り組みはAIが作業を代替し人間が判断に集中する好例として注目を集めているが、同時に日本企業の伝統的な雇用慣行を根本から問い直す転換点でもある。効率化がさらに進む中、労働市場全体の再設計が急務となるだろう。

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