『夫婦別姓刑事』騒動でフジが月9恋愛ドラマ禁止へ:弁護士の写真にまで「疑惑」が拡散?

フジテレビのドラマ『夫婦別姓刑事』をめぐる佐藤二朗氏と橋本愛氏のトラブルが、思わぬ方向へ拡大している。

知らされなかった「接触制限」

佐藤氏側の説明によると、発端は3月22日の第1話撮影だった。車内のコントシーンで、佐藤氏の指が橋本氏の顎付近に触れた。橋本氏には過去のハラスメント被害に起因する身体接触の制限があったが、その事情は佐藤氏本人には事前に伝えられていなかったという。

翌日以降、「肩と腕以外に触れる場合は事前確認する」というルールが設けられた。佐藤氏側は、その後はルールを守ったと主張している。一方、佐藤氏が橋本氏に対し、「制限があるなら夫婦役を受けるべきではない」「俳優を続けるべきではない」といった趣旨の発言をしたことが問題視され、フジテレビが依頼した外部弁護士は「深刻なハラスメント」と認定したと報じられている。

佐藤氏は、報道には事実と異なる部分があり、自身の言動はハラスメントに当たらないとの専門家の確認も得ていると反論した。つまり、頬や顎に触れたことだけが問題なのではなく、その後の発言や調査手続きの妥当性をめぐって、双方の認識が真っ向から対立している。

弁護士の「写真」にまで疑惑が拡散

さらにX上では、調査を担当したとされる江黒早耶香弁護士について、ネット記事などでプロフィール写真として紹介された画像が、ストックフォトと同一ではないかとの指摘が拡散した。

ただし、その画像を江黒氏本人や所属事務所が公式プロフィールとして掲載したのかは確認されていない。第三者が勝手にフリー素材を使った可能性もあり、「写真が別人だから弁護士も架空だ」といった憶測に飛躍するのは危険だ。問題にすべきなのは弁護士の顔写真ではなく、調査が中立的で、双方に十分な反論の機会を与えたものだったのかという点である。

恋愛ドラマを禁止するフジテレビ

ところがフジテレビ上層部は、騒動を受けて2027年1月期の月9について、制作が進んでいた恋愛ものの企画を変更する方針だと報じられた。脚本も進み、主演俳優も内定していたという。制作現場から困惑や不満が出るのも当然だろう。

今回の問題は、恋愛ドラマを制作したから起きたのではない。出演者の事情を誰にどこまで共有するのか、身体接触を伴う演技をどう合意するのか、トラブル発生後に誰がどのような手続きで調査するのかが曖昧だったことが原因である。

恋愛ものを禁止しても、刑事ドラマや医療ドラマで身体接触は起きる。ジャンルを封印するだけでは、コンプライアンス対策ではなく単なる思考停止だ。

演技の自由は、相手の尊厳を無視する免許ではない。一方で、コンプライアンスも俳優の表現を萎縮させるための武器ではない。必要なのは「触れるな」という号令ではなく、出演者、事務所、制作側が事前に条件を共有し、納得できるルールをつくることである。

フジテレビが禁止すべきなのは恋愛ドラマではない。責任の所在を曖昧にしたまま、問題が起きるたびに現場へ新しい禁止事項を投げつける、その場しのぎの危機管理ではないだろうか。

2025年7月に放送され得た『検証 フジテレビ問題 ~反省と再生・改革~』検証は生かされたのか?

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