鉱石の道をたどる旅。GINZAN BOYZが盛り上げる生野銀山跡。

兵庫県北部・但馬地方をドライブしています。朝来市、養父市周辺はかつて鉱山開発が行われていた地域。「鉱石の道」として日本遺産に選定されているエリアです。

やってきたのは生野(いくの)銀山。鉱山は既に閉山しており、博物館として生まれ変わっています。現在は三菱マテリアルが管理していますが、明治時代には国が管理する官営鉱山でした。その証拠に門の跡には菊の御紋章が描かれています。

ここから先は博物館。先ほどは明治時代の門でしたが、今度は江戸時代っぽい門が登場します。生野銀山の歴史は802(大同2)年に鉱脈が見つかったことに始まるとされています。

1542(天文11)年に山名祐豊が生野城を置いて、本格的な採掘が始まりますが、1577(天正5)年に羽柴秀吉の侵攻を受け、織田信長、その死後は秀吉がここを支配するようになります。江戸時代に入っても直領として、銀の採掘を厳しく管理していました。

明治時代に入ると官営となり、フランス人技師が生野銀山に入り機械化を図るなどして採掘量を増加させます。三菱金属に移管してからも銀山は稼働を続けますが、産出量の低下を受け、1973(昭和48)年に閉山しています。

門をくぐると資料館があります。

作業する人の様子も再現される。

鉱石などの資料が多く展示されているのですが、中でも目を引いたのが生野銀山の地下全体図を再現した模型。これでも一部なんですが、アリの巣のように地中奥深くまで穴を掘り、鉱石を採取する様子がわかります。鉱石を取る人、地下水の排出をする人、換気を行う人など、役割を分担していました。

江戸時代までは電気もなく、暗い中を地中に潜り鉱石を取っていました。アワビの貝殻に入れた油を灯した火だけが灯りとなっていました。そんな中で急なハシゴを登ったり、重い鉱石を運び上げたり…とんでもない重労働だっただろうなと思います。

ここからかつての坑道に入ることができます。坑内の気温はだいたい13℃。とても涼しいので夏の観光にぴったりです。

坑内にはかつての鉱員が作業している様子をマネキンで再現されています。

実はこれらのマネキン、全員顔が違っていて、全員名前がついています。

ちなみにこの人(マネキン)はK(ケー)というらしいです。
火薬だけでなく市の機密情報も背負っていて素顔を見たものはないらしいです。

機関車を運転する「じろふみ」は国鉄の試験に落ちたからここに来て機関車を運転しているんだそう。
マネキンひとりひとりにプロフィールがあります。

超スーパー地下アイドル「GINZAN BOYZ」公式サイト
ついにメジャーデビュー!! 3rdシングル「GO!!!」大好評配信中! 兵庫県朝来市・生野銀山から、日本の礎を地下から支えた熱きアイドル「GINZAN BOYZ」!!

そんな彼らは「GINZAN BOYZ」なるアイドルグループを結成して、曲まで出しちゃったりしています。キャッチフレーズは「超スーパー地下アイドル」。なかなか洒落が聞いています。グループ名は結成当時活躍していたバンド「銀杏ボーイズ」を文字っています。

マネキンらの仕事の様子を見ながら坑内を巡ります。江戸時代の鉱員は狸堀から奥へ奥へと進み鉱石を採集していました。こんな狭い穴で仕事をしていたなんて過酷労働の極みです。

鉱山は落盤のリスクと隣り合わせです。合掌造りの屋根の仕組みを応用した支柱組で弱い岩盤を補強して落盤を防いでいました。

時代が進むと作業は徐々に機械化が進みました。ローダーで掘った鉱石をそのまま貨車に詰め込めるようにしたり、先ほどの坑内鉄道で人や鉱石を運搬したり、かつての過酷な労働は劇的に改善されていきました。こういった方々の活躍があって今の日本の発展があります。

生野銀山を出て少し山を下り、JR播但線の生野駅周辺に来ました。この周辺にはかつて生野鉱山で勤務した官営時代の役人や、三菱金属の幹部級社員の社宅が残されています。

当時の上級社員の暮らしぶりを窺い知ることができるのですが、

お風呂を除くとカランが付け替えられていて、シャンプーなんかも整えられています。

実はここに残る社宅のうちいくつかは、宿泊をすることができるそう。当時の暮らしぶりを存分に楽しむことができるのです。

かつて鉱山のおかげで賑わった名残は町並みにも色濃く残されています。

明治19年に建てられた鉱山社長宅はその後三菱グループの施設となり迎賓館などとして使われてきました。

川沿いに残るトロッコ列車の廃線跡。
銀山と生野駅との間を結んでいました。

1300年の歴史を有し、日本の繁栄を支えた生野銀山。ここに日本の産業を支えた鉱山があったことを伝えようと、地元が懸命に努力している姿を見ることができました。

GINZAN BOYZにも、ぜひ会いに行ってください。


編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。

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