短パンで高級フレンチ店に入れる日は来るのか

内藤 忍

日本経済新聞電子版によればハーフパンツ(半ズボン)が夏の職場での仕事着として広がりつつあるそうです。2026年は「オフィス半ズボン元年」となりそうだとまで書いていますが果たして半ズボンは広がっていくのでしょうか。

確かに服装のカジュアル化は世界的に進んでいます。

ビジネスの世界でも投資銀行や保険会社や高級ブランドの営業といった特別な仕事以外ではスーツを着てネクタイをしている人は少なくなりました。

高級レストランでも未だにジャケット着用などといったルールを適用する保守的なお店もありますが、大半のお店は高級店でもジーンズにスニーカーといった服装でも入店を断られることはありません。

ただカジュアル化は進んでいるものの、そこには周囲の他の客や一緒に出掛ける人たちに不愉快な思いをさせないというのが大前提だと思います。

清潔感のあるアルマーニのジーンズにルイヴィトンのスニーカーであればオシャレに見えるかもしれませんが、単に古くなって穴が開いたヨレヨレもダメージドジーンズに汚れたスニーカーだったらお店のムードが一気に崩れてしまいます。

短パンで高級フレンチに入れる日がくるのかと聞かれれば、私は「気候変動の波に押される形で、いずれその日は来る」と考えています。ただしあくまでも「いずれ」です。

近年の地球温暖化は原因はともかく尋常ではないレベルに達しています。生命の危険に迫るレベルになれば安全や快適性を優先する動きが出てくるのは当然です。

汗だくになってスーツにネクタイをして食事をするのは環境変化に対応していない過去の遺物に見えてしまいます。

しかし現時点で短パンでグランメゾンのようなお店に出かけたり、会社で仕事をすることには私は違和感を感じてしまいます。

1人で近所の安い居酒屋やチェーン店のお店に飲みに行くのなら服装にはそれほど気を遣う必要はありませんが、相手がいる時は変わってくると思います。

例えカジュアルなビストロや町寿司のようなお店であっても短パンで出かけようとは思いません。

Tシャツを着ていくことはありますが、短パンとサンダルではなく最低でもジーンズとスニーカーを履いていくのがマイルールです。それが同じ空間にいる人たちが不愉快な思いをしない最低限の礼儀だと思っているからです。

逆に、もし食事に誘った友人が短パンにサンダルでお店に来たり、町寿司のカウンターでたまたま隣に座ったおじさんが短パンにサンダルだったら、やはり違和感を感じてしまいます。

またせっかく高級フレンチのようなゴージャスな空間も楽しむようなお店に行くのであれば、男性もジャケットやジュエリーなどでドレスアップして出かけた方が自分も楽しめるのではないでしょうか。

どんな場所にどんな服装で出かけるかというのは時代と共にその暗黙のルールというのが変わっていくものです。

短パンもいずれ受け入れられるようになるのかもしれませんが、男性であればスネ毛の処理などの大人のマナーも必要だと思います。

一流経済新聞の記事に惑わされることなく、私は少なくとも今は短パンで仕事に出かけたり、友人との食事に出かけることは控えるつもりです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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