1万円のコース料理に一杯5,000円のグラスワインはありか?

内藤 忍

カジュアルで気の置けないお気に入りのカウンター和食店に出かけました。前もって注文していたコース料理はデザートの甘味まで入れて1万円と破格です。今回はドリンクについてはお店のスタッフに銘柄をお任せしました。グラスのビールからスタートし日本酒にスイッチして、最後は白ワインを飲みました。

家に帰って領収書を見ると一人当たりの会計金額がお料理の3倍(3万円)以上になっていました。グラスビールも含めドリンク1杯が平均4,000円です。会計が間違っているのではないかと思い、野暮なことだと承知の上で後からお店に明細の確認をしてみました。こんなことをするのはこの手のお店では初めてです。

するとグラスで注文した白ワインが1杯5000円であったことがわかりました。この価格には思わず首をかしげざるを得ませんでした。

確かにとてもおいしいワインでブルゴーニュの1級畑です。高品質のフランス高級ワインですからむしろ良心的な価格なのかもしれません。

しかし、お店のスタッフを信頼して「グラスの白ワイン」と言ってお任せで注文するだけで、この価格帯のワインを出すのは常識外れだと思いました。

通常グラスワインの価格設定は、料理の価格の10%から15%。少しレベルを上げたとしても20%程度が上限とされています。つまり、今回であれば2000円がグラスワインの上限価格の目安と言うことになるでしょう。

もちろん価格を伝えた上で注文者が納得するなら価格に上限はないと思いますが、今回はそのような対応ではありませんでした。

満足できる飲食店というのは、料理とドリンクの価格バランスが整っており、会計にも納得感があるものです。

価格を明示しないまま高価格帯のグラスを提供し、客にネガティブな驚きを与えるような商売は長期的には顧客からの信頼を失うことになります。

以前も熱海のオーベルジュで同じような「事件」がありましたが、その時はスルーしてその後利用しなくなってしまいました。

今回は行きつけのお店だったので、敢えてお店のスタッフに正直に苦言を呈させて貰い、今後の改善をお願いしました。

飲食店で大切なのはお酒やお料理が美味しいことではなく、「気分良く帰れること」です。こちらからのメッセージに迅速に対応してもらえたので、近いうちに再訪してみようと思います。

※写真は以前飲んだ美味しいシャンパーニュで今回の記事の内容と無関係のお店です


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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