どう見る株価:ハゲタカにやられた日本の個人投資家

熊本の地震で被災された方にはお見舞い申し上げます。10年前の地震以降TSMCの工場進出、更に関連企業や他の業種の熊本進出と投資が続き、九州投資ブームの要となっていただけに今回の地震は心理的にもダメージです。

日経の編集委員が記事のコメントで「前回の熊本地震では布田川断層帯と日奈久断層帯の北端が引き起こしました。今回は日奈久断層帯の南西に広がる部分が震源とみられます。… 日奈久断層帯は今回の震源に近い宇城市から鹿児島県北部に伸びています。今回活動しなかった『割れ残り部分』の断層が大地震を引き起こす可能性があり、警戒が必要です」と述べています。私はこの裏付けは全くわからないのですが、気になります。

さて、今回の地震が政治経済にどの程度の影響が出るかは今後の被災状況の把握次第だと思います。現状、被害が猛烈には広がっていないので昨日の当ブログで述べた「今週にも食品消費税減税実施の表明」は強行するのでしょう。個人的には株式市場が軟弱な状態になりつつある中、これを為替など金融市場がどう受け止めるか、先行きが読みにくくなっています。もちろん、首相としてはこの表明は本来であれば5-6月頃を見込んでいたわけでこれ以上先延ばしできないというギリギリの状況にあることは重々承知しています。

高市首相 首相官邸HPより

お前はたしか、日経平均は5万円台半ば、キオクシアは4万円台もありと言っていたな、と思い出された方もいらっしゃると思います。さらに当時、日経平均があと1万円下がっても物色銘柄がAI中心だったため、内需株などは業績と比べても安値放置とも申し上げました。現状、そこに向かっていると思います。キオクシアは昨日のストップ安で44000円台まで下げましたが、一部アナリストからは3万円台の予想も出ています。手のひら返しとはこういうことを言うのですが、彼らは自分の言ったことを忘れるのが得意で「その時と今は事情が違う」と言うのは常套句であります。事情が変わることを読み込めないアナリストはアナリストではないと思います。

私はこのところの日経平均の下げは「嫌な下げ」になってきたとみています。韓国株式市場ほどではないにせよ、全体的な連れ安症状になっており、多くの投資家は「あの儲けは夢だったのか」になっているのでしょう。あるいは半導体関連で信用取引をされている方は寝れない日々が続いていると思います。信用の清算をするのに他の株式を売って現金を用意するしかない方々が非半導体関連株を売却しているはずで、これが日経平均へのボディブローとなっています。

一言嫌味を申し上げると今回も日本の個人投資家はハゲタカにやられたのです。ペインキャピタルがキオクシアで2.5兆円儲け、売却完了宣言が出てから同社株はただでさえ弱気のところでさらに背中を押されました。つまり外資のファンドはぼろ儲け、個人投資家はババつかみであります。「嗚呼、無常!」と申し上げます。

ではこの展開はそろそろ止まるのか、と言うと私はまだ判断はつかないとみています。それはナスダックがまだ本格調整とまで言えない状態にあり、方向性を探る極めて重要な位置にあるからです。6月初めの高値からの下落率は9%程度。ただし、目だった下落ではなくずるずる下げる展開です。アメリカの半導体絡みの株式も散々でありますが、逆にソフトウェア絡みの銘柄がこの1週間ぐらいで強く反転してきており、AI一辺倒から確実にバランスを取る展開が見られます。これがナスダックが崩れそうで崩れない理由かと思います。

今週はFRB、日銀が政策発表します。事前予想では両者とも据え置きです。ただ、アメリカについては新議長の革新的な性格故に動向が読めずサプライズがないとも言えません。ここは要注意です。

典型的な下げ相場の際には最後に阿鼻叫喚の下げがあるものです。一日にして下げ幅が10%を超えるようなそんな下落です。そこで底打ちとなるのですが、「真夏の昼の悪夢」がないことを祈ります。株式市場全般は業績が悪くないものの、AIが足を引っ張り、ビットコインも金も調整、資源もさえず、原油も先行き見通せない暗中模索状態とも言えそうです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年7月29日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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