AIで英会話スクールはなくなっても、筋トレジムはなくならない

内藤 忍

gentlelight/iStock

生成AIの進化によって世の中の仕事やサービスの多くが劇的に変わっていくのを実感します。習い事の世界でも大きな変化が起こっています。

 

例えば英会話スクールのような語学学習の世界です。これからAIを使った英会話アプリや音声生成技術のクオリティがどんどん進化します。

わざわざスクールに行かなくてもAIによって24時間いつでも自宅のパソコンで格安で質の高いネイティブ並みの対話相手が手に入る時代になっていきます。

しかも自分用にカスタマイズされたプログラムを作成してもらえ、上達レベルに関しても数値化して記録してもらうことができます。

このようなきめ細かな対応は、対面型の従来の英会話スクールのサービスでは提供できません。

低価格で高品質サービスがAIによって提供されることになります。

従来のような英会話スクールだけではなく、フィリピン英会話のような格安のオンライン学習サービスさえAIに代替されていくことになりそうです。

一方で同じ習い事であってもAIとは無縁にニーズがあるサービスがあります。

例えば筋トレをするためのパーソナルトレーニングジムはその典型です。

テクノロジーがどれほど進化しAIが高度化しようともトレーニングはマシンに向かって自分がリアルに身体を動かす必要があります。

自分のレベルに合ったトレーニングメニュを作成し適切なフォームで実践し、必要であればサポートをするには、対面でリアルの指導を受ける必要があります。

また、本格的なトレーニングマシンを自宅に持っている人は少なくジムに行かなければ機材の制約も出てきます。

専門のマシンを使い安全性を確保しながらギリギリまでの負荷をかけることで筋トレの効果は最大限に発揮されます。ここにデジタルが代替できない参入障壁が存在します。

同じ習い事でも英会話スクールとパーソナルトレーニングジムにはAIの影響に大きな違いがあることがわかります。

もちろんパーソナルトレーニングにもある程度AIを導入するような動きが今後出てくることになるでしょう。身体のデータを入力することによって適切な運動プログラムを提案してくるようなサービスはそれほど難しいことではありません。

しかし、リアルにトレーニングのサポートをしたり、トレーニングの前後のストレッチなどの施術をするのはAIにはできない仕事です。

人間の身体が必要になる仕事はAIには代替されにくいということです。

習い事に限らず、これからAIが更に普及していく中で仕事をする際に考えるべきことは、AIに代替されにくい仕事のやり方を追求することです。

AIに勝とうとするのではなく、AIが入り込めない世界で仕事を完結できればAIに仕事を奪われることはありません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年7月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント