深まる分断、高市首相 vs. メディアの行方

「今週のつぶやき」のスタイルを少しずつ見直そうかと考えております。理由は文章が冗長になり、読み手が疲れるだろうと考えたからです。最近は長い文章は読めないのが普通になってきたので、このブログに来られる方へももう少し配慮し、さっと読み終わるようにした方が良いと考えています。まずは今まで3つのトピを掲げさせていただきましたがこれを2つにしたうえで、2つのトピの節を3節から4節にしてみたいと思います。これが長すぎるようなら3節に戻して1節で終わるぐらいの短いトピを1つ絡ませてもよいかと思います。しばらく試行錯誤しますが、ご容赦願います。

では今週のつぶやきをお送りします。

ウォーシュ vs. ベッセント

このタイトルを読んでも一般の読者には何も響かないでしょう。マニアックすぎると言われるかもしれません。アメリカの金融政策を担う2人のトップのスタンスがすりあわないとされる話ですが、もっと大局で見ると2人ともトランプ氏の傘下という点で枠組みは同じであります。ウォーシュ氏がジャクソンホールで語ったのは「インフレ率は高すぎるかもしれない」。一方のベッセント氏は超長期国債が売られ過ぎて利回りが上昇しすぎているからこれをどうにかしなくてはいけない、であります。

まずインフレ率ですが、7月で3.4%、短期サイクルで見ると今年5月をピークに下げるサイクルの真っただ中にあります。短期サイクルは23年以降おおよそ8-9か月程度を1サイクルで動いており、今のサイクルは26年2月からなので10-11月までは下げ基調になるように見えます。とすればウォーシュ氏が「インフレ率は高すぎる」というのは市場の反応を受けた言わされ感があり、市場がウォーシュ氏の実行力とみる9月の利上げには個人的には疑問符を付けます。一方、ベッセント氏の「長期債利回り低下作戦」はテクニカルに走ったことで市場から不評を買い、実質的に失敗したとみています。

そのインフレとされる主因はイラン戦争のとばっちりで原油価格が下がらないこと、AIブームでデータセンターなどへの高い投資と高性能の半導体需要の高まりで汎用型が十分に市場に出回らないことが上げられています。ただ、もっと大きなピクチャーで見ると国民の6割が享受する不動産価格が冴えないことで消費余力がなくなってきていることはあまり注目されていません。インフレは賃金上昇や株高、不動産高を伴ってこそ健全なインフレですが、今のインフレは関税インフレを含め、コストプッシュ型のよくないインフレに見えるのであります。

価格は市場が決める、これが基本です。ところが中間選挙が近づくにつれ、トランプ氏は何か対策を打たないとまずいぞ、という意識が高まっています。利上げは企業にも住宅購入者にも不評であり、やりにくい政策であります。ではなぜ、インフレ懸念を持ち、長期国債が不人気なのか、と言えばアメリカが不人気であり、余計な関税を払わせ、国民が高いものを買わされているからであり、「沈黙する国民の苦悩」が底辺にあるのだろうと考えています。見方を変えれば選挙が近いのに民主党もぱっとせず、将来を託す政党がないという不安感がもっと高いのかもしれません。アメリカは政治後進国ですが、改めて停滞してきたな、という気がします。

深まる分断、高市首相 vs. メディアの行方

正直、日本でこのような事態になるのはかなり珍しいと思います。一方で高市氏のスタンスはトランプ氏に似ているところがあります。トランプ氏はアメリカメディアを敵に回しその後、自らが発信するスタンスに変わりました。同様なケースはアルゼンチンのミレイ大統領やブラジルのボルソナロ元大統領にも見られます。この源流をたどるとフィリピンのドゥテルテ元大統領で韓国の尹錫悦氏も同じような系統だと思います。なぜこれら国家元首はより強硬になるのでしょうか?

高市首相 首相官邸HPより

異論はあるかもしれませんが、一部のメディアはリベラルでエリート的地位を享受してきています。極論すれば自分たちは取材対象者をグリルできる特権階級なのだと。日本には高級紙がないのですが、諸外国には高級紙と一般紙とタブロイド紙のランク分けがあり、高級紙は高尚で学究的な面を持たせながら記者の鋭さを売りにしてきました。この上から目線が嫌な大衆はタブロイド的でわかりやすい切り口を求める傾向がありました。近年は紙媒体が減ったもののオンラインで読めるようにして、切り口を単純化し、どれだけわかりやすいか、どんな読者にも理解してもらえるかを売ります。つまるところ、オールドメディア⇒エリート層へのバッシングもこの背景が垣間見られるのであります。

政権としてもメディアを通じた情報発信が必ずしも発信者の意図したとおりにならないことがしばしば起き、またメディアが持つ思想的背景を通じて都合よく調理されてしまいます。その調理=論調は書き手により甘くも辛くもできるわけで読み手はその時点で好き嫌いが完全に分かれるわけです。オールドメディアバッシング組はその分離層であります。よって、情報を発信する側としては自らが発信すれば簡単だ、ということになるわけです。トランプ氏が好むやり方であり、高市氏が踏襲しているわけです。ではその自己発信のメッセージは正しく伝わるか、といえば難しいと思います。それは発信者が自己過信しすぎているとも言えます。

ウォーシュFRB議長が苦労しています。定例記者会見で記者の求める質問に対して「明後日の答え」が返ってくるからです。メディアはまだ我慢していますが、100日のハネムーン期間を過ぎたらバッシングを開始するでしょう。ではメディアとコミュニケーションが取れないとどうなるか、といえば短期的人気は出ることもありますが、長期的には社会の分断を招き、極めて深刻な問題を引き起こすとされます。私が思うにメディアとウマが合わない発信者の多くは我が強く、その偏狂的姿勢に対してエリート層のシビアで辛辣なペンという剣が突き刺さるのであります。

後記
マリーナの一時係留予約システムをAIで作ってもらい、メッセージ性も強化したところ、反応が逆に良すぎて一時係留の場所が足りないぐらいになりました。我々が求めるAI活用による改革路線の成果は思った以上にあることが実証されました。昨日第2弾の独自の給与支払いシステムが完成し、これにより給与管理業務がほぼ自動化されます。現在、さらに第3弾、第4弾の作業が行われており、年末ぐらいまでには業務の様相は大きく変化するはずです。当然、我々の時間の使い方も変わるはずで逆にどう使うか、模索するような感じになっています。数年前には想像もつかなった変化ですね。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月29日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

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