日本の新発10年物国債利回りが9月1日、一時3%に達した。1996年以来、約30年ぶりの高水準となる。物価上昇への警戒や財政拡張への懸念、海外での金利上昇などが重なり、日本にも本格的な「金利のある世界」が戻りつつある。

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影響が懸念されているのが住宅ローンだ。10年国債利回りが直接影響しやすいのは固定型住宅ローンで、変動金利は政策金利や短期プライムレートの影響を強く受ける。このため「長期金利3%=変動型住宅ローン3%」ではない。
それでも日銀の利上げが続けば、変動金利にも時間差で上昇圧力がかかる。超低金利を前提に多額の住宅ローンを組んだ世帯にとって、これまでとは違う環境になったことは確かだ。
日本人の67%が「実質金利は分からない」
ここで気になる調査結果がある。
SBI金融経済研究所が2025年秋、日本、米国、ドイツ、中国の約2万2000人を対象に実施した「次世代金融アンケート2025」では、金融リテラシーを問う設問の一つとして「インフレと実質金利の関係」が尋ねられた。
これに「わからない」と答えた割合は、日本人女性が67.0%、男性でも41.7%だった。米国は女性37.1%、男性20.5%、ドイツは33.1%と19.0%、中国は10.1%と9.0%で、日本は男女とも突出して高かった。
実質金利とは、名目金利から物価上昇率を差し引いたものだ。預金金利が1%でも物価が3%上昇すれば、実質金利はマイナス2%程度となり、預金の購買力は減っている。
「変動0.5%だから安心」では済まない
住宅ローンでも、この「名目」と「実質」を区別する視点は重要だ。
住宅ローン金利が上昇しても、それ以上に賃金が上昇すれば実質的な債務負担は軽くなることがある。反対に、物価と住宅ローン金利だけが上がり、賃金が追いつかなければ、食費や光熱費が増えたうえに利払いまで増えるため、家計の資金繰りは急速に悪化する。
ところが日本では長年、住宅ローン選びが「固定より変動の方が安い」「月々いくら払えるか」という名目金利中心の議論になりがちだった。30年近い超低金利によって、金利を深く理解しなくても大きな問題になりにくかった面もある。
しかし、その時代は終わろうとしている。
長期金利3%突破が示しているのは、単なる住宅ローン金利の上昇ではない。金利、物価、賃金の関係を自分で判断しなければならない時代への転換である。
実質金利について多くの日本人が「わからない」と答えるなかで、数千万円を35年、40年にわたって借りる。金利上昇以上に心配なのは、日本の「金融リテラシー」の方なのかもしれない。








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