中道改革連合「1人だけ残して存続」の不可解:税金だけは満額いただく措置か

1月に立憲民主党と公明党の出身議員約49人で結成された中道改革連合が、わずか7カ月で事実上の分裂に向かっている。2月の衆院選で苦戦し、その後の合流協議も頓挫したことを受け、公明系28人は公明党に復党し、立憲系21人は新党を結成する方向となった。

一方、中道改革連合そのものは解党せず、国会議員を1人だけ残して存続させる方針だという。小川淳也代表がこれまで語っていた「新しい形態」が、こうした枠組みを指していたのかが注目されている。

【参照リンク】中道 党は残し立憲系と公明系議員が離党へ テレ朝NEWS

なぜ「分割」ではなく「分派」なのか

政党が分裂する場合、党そのものを二つに分ける「分割」と、既存政党を残したまま所属議員が離党する「分派」がある。

今回、中道改革連合が選んだのは後者だ。分割では資産や政党交付金を分ける手続きが必要になるが、分派の場合、政党交付金は存続する党に残る。

中道改革連合の2026年分の政党交付金は約23億3881万円。4月と7月に計約11億7000万円が交付され、10月と12月にも計約11億7000万円の交付が予定されている。

政党交付金は「国会議員5人以上」だけでなく、「国会議員1人以上で、直近の国政選挙で一定の得票率を得ている」場合にも受給資格を満たす。

このため、中道改革連合に議員を1人残せば、党は存続し、残る交付金も受け取れることになる。

党の分裂方法と政党交付金の扱いが密接に関係していることから、「交付金を確保するための党存続ではないか」との見方が出るのも無理はない。

中道改革連合HPより

「残務処理」に11億円超は必要なのか

党側は、中道改革連合を存続させる理由として「残務処理」や「資金面の整理」などを挙げている。

残務処理が必要であること自体は理解できる。ただ、そのために今後交付される約11億7000万円の全額が必要なのかは別の問題だ。

借入金がいくら残っているのか、残務処理にいくら必要なのか、落選者への支援を含めて何にいくら支出するのか。こうした資金の内訳を明らかにしなければ、国民の理解は得にくい。

党の枠組みは解体し、議員は元の党や新党へ移る一方、その党名で得た選挙結果を根拠に算定された政党交付金は年末まで受け取ることになる。

「理念は消えても、税金の受け皿だけは残る」と受け止められれば、政治不信を招く可能性がある。

中道に投じられた票への説明は

説明責任が問われるのは、公明党出身の議員についても同様だ。

2月の衆院選では「中道政治」を掲げ、中道改革連合の看板で選挙を戦った。公明系の議員は比例代表で当選しており、有権者は候補者個人だけでなく政党名や政策にも票を投じている。

その議席を維持したまま、わずか半年余りで元の公明党へ戻るのであれば、中道改革連合に投票した有権者に対し、方針転換の理由を説明する必要がある。

さらに分裂後も三勢力で衆院統一会派を維持し、野党第1会派の立場を守る方針とされる。

党は分かれる一方、国会では同じ会派を組み、政党交付金は中道改革連合に残す。制度上は可能でも、有権者から見れば分かりにくい政治再編であることは否定できない。

最後に残るのが「税金の受け皿」なのか

野党には、政権を監視し、政策を競い合う役割がある。与党に緊張感を持たせるためにも、強い野党の存在は必要だ。

だからこそ、理念を掲げて結成された政党が短期間で分裂し、最後に残るのが議員1人と巨額の政党交付金という形になれば、野党全体への不信にもつながりかねない。

二兎を追って一兎をも得ず、それでも税金だけは満額受け取る――。そのように見られる事態は避けるべきだろう。

中道改革連合が疑念を払拭するには、今後の政党交付金をどこまで受け取り、何に使うのかを明確に説明する必要がある。

残務処理に不要な分については受給しない、あるいは国庫への返納を検討する姿勢を示すことも選択肢となる。

「新しい形態」を掲げるのであれば、最後に問われるのは制度をどう使うかではなく、税金をどう扱うかという政治姿勢ではないか。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント