ふるさと納税のルールが10月から変更:誰が得するの?

ふるさと納税のルールが2026年10月から一部変わります。「返礼品が改悪されるのか」「9月中に駆け込んだほうがいいのか」と気にしている人も多いでしょう。

でも今回の制度変更を一言でいえば、これまで膨らみ続けてきた巨大な官製通販の経費を少し削り、自治体に残るお金を増やすものです。

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自治体に残るお金を増やす

今のふるさと納税では返礼品、仲介手数料、広告費などの募集費用を、寄付額の50%以下に抑えることになっています。つまり寄付の半分が返礼品と手数料に消える制度です。

これが2026年10月から変わり、自治体が実際の事業に使える「寄附金活用可能額」を52.5%以上確保することが求められ、募集費用は47.5%以下となります。2027年10月から55%、2028年10月から57.5%、2029年10月以降は60%以上を自治体に残す方向で段階的に厳しくなります。

要するに「寄付金の半分を返礼品と手数料に使うのはおかしい」という当たり前の方向に制度を戻していくわけです。ただし返礼品の調達価格は寄付額の30%以下とするルールは変わりません。圧縮を迫られるのは、送料、広告費、ポータルサイトへの手数料といった部分でしょう。

「地元っぽい商品」も通りにくくなる

もう一つ重要なのが、地場産品の基準強化です。ふるさと納税は本来、地方を応援する寄付で、返礼品もその自治体と関係がある商品でなければなりません。ところが制度が巨大化するにつれ、「これは本当にこの自治体の返礼品なのか」と首をかしげたくなる商品が増えました。

材料は域外、製造もほぼ域外、最後の加工だけ地元で行って「地場産品」とするケースも多い。10月以降は、製造・加工によって生じる付加価値について価格に基づいて判定し、価値の過半が地域内で生じていることを証明する仕組みが厳格化されます。

自治体が返礼品を一般的な販売価格より不自然に高く買い取ることもむずかしくなります。これによって、返礼品の寄付額が引き上げられたり、内容量が減ったり、場合によっては掲載そのものが終了する商品も出てくるでしょう。

得をするのは自治体、痛いのは仲介業者

得するのは、寄付を受け取る自治体です。たとえば100億円の寄付を集める自治体なら、52.5%ルールへの変更だけでも2.5億円多く自治体に残ることになります。本当に地域で製造や加工をしている事業者にとっても悪い話ではありません。

一方、厳しくなるのがポータルサイトや中間事業者です。真っ先に圧縮対象になりやすいのが、仲介手数料や広告費、事務委託費だからです。

9月末までに「駆け込み寄付」が増えそう

では寄付する側はどうでしょうか。税額控除の仕組み自体が変わるわけではありませんが、同じ返礼品でも必要な寄付額が上がったり、返礼品の量が減ったりする可能性があります。9月末までに駆け込みで寄付が増えそうです。

ここにふるさと納税の根本的な矛盾があります。「地方を応援するための寄付」と言いながら、実態は肉、カニ、米、家電、旅行券のショッピングサイト。都市は赤字で、地方は黒字ですが、それは納税者の「ふるさと」とは無関係です。行政サービスの対価を住民が払う住民税の目的がゆがめられているという批判も強い。

今回の改正で最も得をするのは、寄付を受け取る自治体ですが、それは少しだけ本来の「寄付」に近づいただけです。住んでいる自治体の住民税を別の自治体に移し、返礼品競争で税収を奪い合うゆがんだ制度は変わりません。

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