出口理佐です。

ロアンヌ駅正面。複数のフォークを描いた看板が、グルメの街を思わせます。
フランス料理の名門トロワグロ。その三つ星レストランとホテルを訪ねるため、リヨンからローカル線に揺られて約1時間半、ロアンヌにやって来ました。

ロアンヌ駅向かいにある、Le Central
この日のランチは、ロアンヌ駅のすぐ前にある「Le Central(ル・セントラル)」。トロワグロファミリーが経営するカジュアルなレストランです。

Le Central店内。地元の人達で賑わっているようでした。
トロワグロといえば、かつてロアンヌ駅前にあったレストランが世界的な名声を築いたことで知られています。現在、三つ星レストランは郊外のウーシュに移転していますが、ル・セントラルでは、より気軽にトロワグロの料理を楽しめます。

一人で予約したテーブル。グラスがふたつあるのは、ひとつが水、もうひとつはワイン用でしょうか。
注文したのは、前菜、メイン、デザートのランチコース。それぞれ好みの料理を選べるプリフィックススタイルです。

メニューの中から、前菜とメイン、デザートが選べます。
まず、前菜の前に登場したのが、シェルフィッシュのブイヨン。夏のように暑い日でしたが、列車での移動の疲れを癒やしてくれる、ほっとする一杯でした。

シェルフィッシュのブイヨン。これは今回のメニューでは、必ずつくもの。
長旅のつかれを癒す、ほっとする味わい。
前菜には、ポワローのミモザ風を選びました。

ポワローのミモザ風。酸味が効いて、珍しく夏のように暑いこの日にはぴったり。
酸味はトロワグロの料理の伝統だそうです。
ポワローは日本の長ネギに似た西洋野菜で、フランス料理ではおなじみの食材です。ヴィネガーで調味したポワローに、アンチョビ、ケイパーを合わせ、茹で卵を細かく刻んだ黄色いミモザが彩りを添えています。
ポワローの優しい甘味に、アンチョビの塩気、ケイパーの酸味がアクセントを加える、シンプルながら味わい深い一皿です。

鱈のポワレ、オレンジバターソース。
メインは、鱈のポワレ、ブール・オランジュ。
ブール・オランジュは、オレンジを使ったバターソースです。小さな角切りのオレンジが散りばめられた盛り付けも愛らしく、バターのコクの中に柑橘の爽やかさが感じられます。
鱈はしっとりと火入れされ、驚いたのは小骨がまったく残っていなかったこと。丁寧な下処理が施されているのがわかります。

メインの付け合わせは、ほうれん草のバター炒め。
旅で不足しがちな野菜の栄養バランスが取れます。
付け合わせは、ほうれん草のバター炒め。魚、野菜、ソースの組み合わせは栄養面でもバランスが良く、食べ終わった後にも重さを感じさせません。

イチジクのパンペルデュ風に、イチジクの葉のアイスクリーム添え。パンはブリオッシュ。
デザートは、パン・ペルデュを思わせるブリオッシュとイチジク、イチジクの葉のアイスクリームです。
実は先月、自宅でイチジクの葉のアイスクリームを作ったばかり。プロの味と比べてみたくて、迷わずこちらを選びました。
甘さを控えた上品な味わいで、イチジクの実との相性も抜群。黒い皮をまとったイチジクは見た目にも美しく、季節の恵みを感じさせます。アイスクリームの味わいはもちろん、プロならではの美しいプレゼンテーションにも感心しました。
食事を終えて、郊外のウーシュにあるホテルへ向かうため、タクシーをお願いしました。

コーヒー、紅茶、緑茶、なんでも飲みたいものを言ってください、と言ってくださり、アールグレイの紅茶をお願いしました。
到着まで30分ほどかかるとのことでしたが、スタッフは待っている間に飲み物をサービスしてくださいました。タクシー会社の事情で待つことになったのに、さりげない心遣いが嬉しく、30分はあっという間でした。
そして、タクシーに乗り込むとき、スタッフが「トロワグロでの滞在をお楽しみください」と声をかけてくれました。
これから訪れる場所への期待が、いっそう膨らむ一言でした。

お天気がとても良く、青空がみえます。暑かったので、椅子をずらして日陰に移動しました。パリよりも南なんだと感じました。
思えば、トロワグロのおもてなしは、このル・セントラルからすでに始まっていたのです。
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