テレビを批判し、YouTubeで大成功。さらにはシンガポールへ移住して、芸能界のしがらみからも自由になったはずの男が、またテレビに帰ってきました。
お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さん(44)です。
10月18日放送の日本テレビ系『Golden SixTONES』に、相方の藤森慎吾さんとそろって出演しました。中田さんは2026年7月に約5年間暮らしたシンガポールから帰国し、8月以降もテレビ出演を重ねています。
ところが、かつてテレビ業界を散々批判してきただけに、ネット上では歓迎する声ばかりではありません。「結局テレビに戻りたいの?」「ちょっと都合がよすぎない?」といった冷ややかな見方も出ています。

あれだけテレビに厳しかった「あっちゃん」が、どうしてテレビに戻ってきたのでしょうか。

テレビを批判していた男がテレビに帰ってきた
中田さんといえば、2023年にダウンタウンの松本人志さんがお笑い賞レースの審査員として大きな影響力を持っていることを問題視し、大騒動になったのを覚えている人も多いでしょう。

また、旧ジャニーズ事務所の性加害問題では、事務所だけでなく、テレビ局などメディア側の責任についても厳しく問題提起していました。
もちろん、テレビ業界を批判することと、SixTONESのメンバーと共演することは別の話です。
ただ、既存メディアに挑戦する姿勢を見せてきた中田さんが、再びテレビで活躍しようとしているのですから、ちょっと皮肉を言いたくなるのも人情というものです。
もっとも、ご本人もそのあたりは十分に承知しているようです。
10月13日放送のテレビ朝日系『耳の穴かっぽじって聞け!』では、自分のことを「本当に恥知らず」と表現しました。テレビの悪口を言ってきたことを認めながら、それでもテレビに戻りたいという気持ちを明かしたのです。

ここまで開き直られると、批判する側も困ってしまいます。
先に自分で「恥知らず」と言ってしまえば、もう怖いものなし。さすがは中田さん、炎上の扱い方をよくご存じです。
YouTubeで大成功してもテレビへの未練は消えない?
それにしても不思議なのは、なぜ今さらテレビなのか、ということです。
中田さんはYouTubeで教育系コンテンツをヒットさせ、テレビに頼らなくても成功できることを証明しました。
自分で企画を決め、自分の好きなテーマを語り、熱心なファンが見てくれる。テレビ局の編成や芸能界の上下関係に振り回されることも少ないでしょう。
そんな理想的な環境を手に入れたのに、なぜわざわざテレビに戻るのでしょうか。
前述の『耳の穴かっぽじって聞け!』では、かつてMCなど自分が望む仕事ができず、不満を抱いていたことも振り返っています。そして、年齢を重ねる中で、もう一度相方とテレビに出たいと思うようになったそうです。
なんだか、ちょっとかわいらしい話ではありませんか。
自由を求めて会社を辞め、独立して成功したのに、昔の職場が懐かしくなってしまった。そんな人を見ているようです。
考えてみれば、YouTubeとテレビでは、成功の意味も違います。
YouTubeは自分を好きな人が見に来てくれる世界ですが、テレビは自分に興味がない人まで相手にしなければなりません。
何百万人もの登録者がいるYouTuberでも、テレビのバラエティー番組で面白いとは限らないのです。
もしかすると中田さんにとってテレビは、批判すべき古い世界であると同時に、どうしても認められたい場所なのかもしれません。
人間というのは、なかなか面倒くさい生き物ですね。
結局、最後に助けてくれるのは相方だった
今回のテレビ出演で、個人的に一番面白かったのは、相方の藤森慎吾さんとのやり取りです。
18日の『Golden SixTONES』では、以前、中田さんが藤森さんの番組での仕事をSixTONESの「おこぼれ」と表現したことが話題になりました。
すると藤森さんは、「今日は、そのおこぼれのおこぼれだからね」と切り返したのです。

これは一本取られましたね。
かつては中田さんが強烈な個性で注目を集め、藤森さんはその横でチャラ男キャラを演じていました。
ところが、テレビから距離を置いた中田さんに対し、藤森さんは地道にテレビ出演を続けてきました。
そして今度は、その藤森さんが中田さんをテレビで迎える立場になったわけです。
YouTubeという新しい世界で成功した男が、古いテレビの世界に残った相方に迎えられる。何とも味わい深い構図ではありませんか。
もちろん、中田さんがテレビに戻ること自体は悪いことではありません。
人間は考え方も変わりますし、若い頃に批判していたものの価値が、年齢を重ねて初めて分かることもあります。
ただし、テレビを批判していたときの威勢のよさは、今後も忘れないでほしいものです。
せっかく戻ったテレビで、今度は制作側に気を遣っておとなしくなってしまったら、それこそ面白くありません。
以前のような鋭い批評と、バラエティー番組での笑いを両立できるのか。そこが本当の見どころでしょう。
「あっちゃん、カッコいい!」で一世を風靡したオリエンタルラジオ。
今度は「あっちゃん、カッコ悪い?」と笑われながら、それさえも芸に変えてしまうのでしょうか。
もっとも、昔の職場に戻ってきた人を笑っていたら、いつの間にか自分も同じことをしていた、なんてことは珍しくありません。
そう考えると、中田さんのテレビ復帰は、案外、私たち自身の姿を映しているのかもしれませんね。







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