国民民主党の「住民税控除額引き上げ」案は中間層に税負担を集中させる

国民民主党は20日、住民税の控除額引き上げを柱とする減税法案を衆院に提出した。これは住民税の課税最低限を119万円から178万円に引き上げ、課税ベースを大幅に狭めて、税負担を中間層に集中させるものだ。

これについて私が批判したところ、玉木さんは「低所得者に課税ベースが広がる効果もある」と反論したが、その効果より課税最低限を一挙に60万円も上げる効果のほうがはるかに大きい。これをGeminiに計算してもらった。

住民税控除の引き上げで納税者は400万~600万人減る

もし住民税も所得税と同じように基礎控除等を引き上げて「年収178万円」を完全な課税最低限(非課税ライン)とした場合、その影響規模は概算で400万〜600万人にのぼると推計できます。その根拠となるデータと背景は以下の通りです。
現在の住民税の非課税ライン(単身・扶養なしの場合)は、自治体によって異なりますが年収110万〜119万円以下です。これを178万円に引き上げた場合、「年収119万円超〜178万円以下」の間にいる働く人たちが、まるごと住民税の納税者から外れる(非課税になる)ことになります。 
国税庁の「民間給与実態統計調査」などによると、日本の給与所得者のうち「年収100万円超〜200万円以下」の層は約800万〜900万人存在します。このうち、すでに住民税が非課税となっている119万円以下の層などを除いたとしても、年収120万〜178万円のレンジに収まる労働者は400万人〜600万人前後いると見られます。住民税を178万円でゼロにすれば、この数百万人規模の納税者が非課税になります。

課税ベースが中間層に集中して「インフレ増税」される

所得税の納税者は4800万人で、住民税の納税者は6000万人。国民の半分も払っていない。これをさらに400万~600万人も減らすと、課税ベースは中間層に集中し、「インフレ増税」になるのも中間層だけになる。
また年金受給者のほとんどは年収178万円以下だから「住民税非課税世帯」となり、給付金などの恩恵が大きい。このように国民民主の住民税控除案は老人優遇の中間層増税であり、それを「中間層の負担軽減」などと言っているのは欺瞞である。
そもそも2024年の総選挙から国民民主党が「年収の壁」として主張してきた基礎控除の引き上げは、課税ベースを狭めて中間層に負担を集中させる。もう国民民主支持者の中でも、だまされている人は少ない。いい加減に減税ポピュリズムを卒業してはどうだろうか。

 

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