筑波大学の学長選考の候補は17年目の現職1人:意向投票は4割が白票

筑波大学の次期学長選考で、推薦候補者が現職の永田恭介学長1人にとどまり、教職員による意見聴取(意向投票)では約4割が白票だった。筑波学生新聞が10月19日に報じた。大学は23日、永田氏を次期学長予定者に決定したと発表。新たな任期は2027年4月から2030年3月までとなる。筑波学生新聞

筑波大学 公式サイト

支持票は対象者全体の約4分の1

同紙によると、意向投票は8月24日から9月4日に実施された。対象者5735人に対し、有効票は2382票で、投票率は約41.5%。永田氏への票は1460票、白票は922票だった。永田氏の得票は有効票の61.3%を占める一方、対象者全体では約25.5%にとどまった。筑波学生新聞

ただし、棄権者をすべて不支持とみなしたり、白票の理由を一律に断定したりすることはできない。それでも、候補者が1人しかいない投票で、投票した教職員の約4割が候補者名を書かなかった事実は重い。大学側には、この結果をどう受け止めたのか説明が求められる。

再任で在任17年へ

永田氏は2013年4月に学長に就任した。今回の任期を満了すれば、在任期間は17年に及ぶ。筑波大学では2020年に任期上限が撤廃されており、長期在任を可能にする制度そのものも論点となっている。tsukuba.ac.jp

大学が公表した選考理由は、これまでの改革実績に加え、教育組織や入試の改革、研究体制の整備などの構想を評価する内容だ。学長選考・監察会議は、推薦書などの審査と候補者との面談を経て決定したとしている。NEWS

改革の継続性は、再任を判断する材料になり得る。しかし、同じ人物が長くトップに立つほど、後継者の育成や異論を反映する仕組みの重要性も増す。候補者が現職1人となった経緯についても、十分な説明が必要だろう。

問われるのは選考の説明責任

学長の選考では、研究・教育の実績や経営能力を総合的に判断する必要がある。意向投票の得票数だけで適任者を決められるとは限らない。

一方、投票結果を最終判断にどう反映したのかが見えなければ、教職員に「意見を示しても意味がない」という諦めが広がりかねない。大学が説明すべきなのは、永田氏の実績や構想だけではない。約4割の白票を踏まえてもなお、再任が最善だと判断した理由である。

社会の変革を掲げる大学だからこそ、自らのトップを選ぶ過程にも、開かれた議論と検証が求められる。

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