AV女優は引退してからが本番? 三上悠亜が変えた引退後の稼ぎ方

AV女優は、引退したら何をするのでしょうか。

かつては出演作品の人気が落ちれば収入も減り、引退後のキャリアも限られるというイメージがありました。しかし、SNSの普及によって、その常識が変わりつつあります。

象徴的なのが、2023年8月にAVを引退した三上悠亜さんです。現在はインフルエンサーとして活動するだけでなく、ファッションや美容商品のプロデュースなど、幅広い事業に関わっています。

注目すべきは、単なる芸能界への転身ではありません。AVメーカーの作品に出演する立場だった女性が、自分自身の知名度を商品に変える側になったというビジネスモデルの変化です。

AV女優から1890万人のフォロワーを持つブランドへ

三上悠亜さんは、アイドルグループ出身という経歴を持ちながらAV業界で人気を獲得し、2023年に引退しました。

しかし、AV出演をやめても、その知名度は消えませんでした。

三上悠亜オフィシャルサイトでは、SNSの総フォロワー数が約1890万人と紹介されています。現在はファッションブランド、まつ毛美容液、カラーコンタクトレンズ、ヘアケア商品などをプロデュース。2026年4月にはナイトブラ「Mieloa」の発売も発表しました。

興味深いのは、かつて男性向け映像作品で人気を獲得した女性が、今では女性向けの商品を数多く展開していることです。

男性から性的な魅力を評価されることと、女性から美容やファッションのお手本として支持されることは、必ずしも矛盾しません。

むしろ、従来のAV業界では接点の少なかった女性市場に進出できることが、ビジネスの可能性を広げています。

AV作品より「自分の名前」が稼ぐ時代

従来のAVビジネスでは、メーカーが作品を制作・販売し、出演者は契約に基づいて報酬を受け取ります。

人気が高くても、作品の販売や流通を基本的にコントロールするのはメーカー側です。

ところがSNSでは、出演者自身がファンと直接つながれます。

YouTubeで日常生活を紹介し、Instagramで美容商品を発信し、ファンイベントを開催する。こうして築いた顧客基盤を、商品販売や企業とのタイアップに活用できます。

つまり、AV出演者は作品に出演するだけでなく、自分の名前やイメージを活用して継続的に収益を生み出すブランドになれるのです。

これは、芸能人が広告に出演して報酬を受け取る従来のモデルとも異なります。自らの商品をプロデュースすれば、企画や商品開発にも関与できます。

ただし、商品をプロデュースすることと、製造・販売会社を所有することは別です。三上さんの個人収入や事業利益も公表資料だけでは確認できません。

それでも、作品出演以外に収益源を広げられることには、経済的に大きな意味があります。

成功するのは一握りという厳しい現実

もっとも、三上さんの成功をAV出演者全体の一般的な姿と考えるのは危険です。

三上さんには元アイドルとしての知名度があり、AV出演中から芸能活動やSNSを通じてブランドを築いてきたという特殊性があります。

SNSのフォロワーが多くても、必ず商品が売れるわけではありません。商品開発には資金が必要で、企業との契約や在庫管理、広告宣伝などの経営能力も求められます。

知名度を生かせず、引退後の仕事に苦労する人もいるでしょう。

また、AV出演歴を公表し続けることが、本人にとって望ましいとは限りません。

過去の出演歴を生かして活動する自由と、過去の出演歴を知られずに生活する自由は、どちらも尊重されるべきです。

AV新法が問う出演者の本当の自由

2022年に施行されたAV出演被害防止・救済法は、出演者の権利保護を目的として、契約書の交付や説明、撮影・公表までの期間、契約解除などについてルールを定めました。

出演者は一定期間、無条件で契約を解除でき、条件に応じて販売・配信の停止も請求できます。

【出典】内閣府男女共同参画局「AV出演被害問題について」

もちろん、この法律がインフルエンサーへの転身を促したという因果関係は確認できません。

しかし、出演者が自分の意思で仕事を選び、やめ、その後の人生を決められることは、重要な問題です。

AV出演を成功への近道として美化する必要はありません。一方で、過去にAVへ出演したというだけで、別の分野での活動まで否定されるべきでもないでしょう。

AV女優がメーカーに依存しなくなる日

三上さんの事例が示しているのは、AV業界だけの変化ではありません。

テレビ局や芸能事務所、出版社などのメディア企業が独占していた顧客との接点を、個人がSNSを通じて持てるようになったという変化です。

かつてはメディアに出演させてもらう側だった人が、今では自らファンを集め、企業と交渉し、商品を販売できるようになりました。

もちろん、その成功は一部の人気者に集中します。しかし、個人が企業に依存せず活動する選択肢は広がっています。

元AV女優が引退後に本当に手に入れるべきものは、高額な収入よりも、自分の仕事と人生を自分で決められる自由なのかもしれません。

三上悠亜さんの転身は、単なる元AV女優の成功物語ではなく、芸能界の力関係が変わり始めていることを象徴しているのです。

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