衆院の議員定数削減をめぐり、国民民主党が自民党の示した比例代表31議席削減案を受け入れる方針を決めた。45議席削減を求めてきた日本維新の会も賛同すれば、参院で少数与党の政権側にとって、今国会での関連法案成立に道が開ける。

国民民主が譲歩して参議院は可決の見通し
国民民主は当初、削減数を19議席とするよう求めていた。今回の譲歩は、自民側が比例代表の中国・四国ブロック統合や、複数政党による統一名簿の導入を受け入れたことを踏まえたものだ。制度改正を通し、維新の45議席削減案をつぶすという取引である。
比例代表の削減に一貫して強く反対してきた国民民主が、ここに来て妥協した背景には、今後の「自国維」連立の含みもあるものと思われる。自民党の麻生副総裁は、かねてから維新より国民民主のほうが連立のパートナーとして扱いやすいと主張してきた。
次は最大の焦点である消費税減税だが、定数削減の決着は今後の交渉を占う材料になる。与党が国民民主の要求を取り込み、国民民主も当初の主張から譲歩する。今回と同じような修正協議が消費税でも成立すれば、参院での可決に向けた環境は大きく変わるだろう。
国民民主のねらいは「自国維連立」か
消費税の減税については日本保守党が賛成に回り、参議院であと2議席のきわどい勝負になった。2議席とはいえ、参議院で否決されると、両院協議会など複雑な手続きが必要になり、12月12日までの会期中に成立するかどうかは微妙だ。
消費税については国民民主は政府案への対案を提出しており、両者の隔たりは残っている。政府案は、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げるものだ。一方、国民民主は住民税減税と給付を組み合わせ、1人あたり年間約5万円の負担軽減を図る案を示している。
特に問題視しているのは、消費税率が元に戻った際、政府の支援から外れる中間層の負担が増える点だが、これは意味不明だ。住民税の課税最低限を年収178万円まで引き上げたら課税対象は400万~600万人減り、インフレ増税は中間層に集中する。

国民民主が消費税でも妥協したら「高市翼賛体制」
玉木雄一郎代表は、政府案について内容が改善されれば賛否を検討する姿勢を示している。争点は減税への賛否だけでなく、誰を支援し、時限措置の終了後にどう負担を軽減するかに移っている。
国民民主が定数削減を飲んだことで、停滞していた与野党協議は一歩動いたが、本丸の消費税では、財源、給付対象、減税終了後の制度設計が問われる。政府案の審議入り後も、こうした点は論戦の焦点となっている。
しかし定数削減の無原則な取引をみると、国民民主が消費税でも妥協する確率は高い。これで国民民主が自民・維新に妥協したら衆参のねじれはなくなり、事実上の自国維連立で国会運営はやりやすくなる。立民は事実上消滅したので、これは野党なき「高市翼賛体制」である。






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