望月衣塑子記者の著書に事実誤認が続出:取材対象者が猛抗議、杜撰な編集過程を放置か

東京新聞の望月衣塑子記者と思想家の内田樹氏による共著『常識なき世界を生き延びるために』(朝日新書)に、事実と異なる記述が複数あったことが判明した。朝日新聞出版は10月27日、公式サイトに「お詫びと訂正」を掲載した。

問題となったのは、「日本中学生新聞」を創刊した高校生の川中だいじさんに関する記述だ。川中さんは28日、Xで「望月氏がぼくに関して話をしている内容のほとんどが事実ではありません」と抗議した。

「老害と呼ばれた」「教師に新聞を剥がされた」は事実ではない

著書には、川中さんが周囲から「老害」と呼ばれていたとの記述があった。しかし実際には、若者の間で「老害」という言葉が使われることについて、川中さん自身が問題提起した話だったという。

さらに、川中さんの発言が望月氏の息子の発言として紹介されていたほか、小学生時代に学校で新聞を張り出し、教師に剥がされたというエピソードも事実ではなかった。

「日本中学生新聞」の創刊経緯についても、外務省への取材を断られたことがきっかけだったとの記述を川中さんは否定している。

川中さんは17日に出版社へ訂正を申し入れたが、28日時点では十分な経緯説明がないと訴えた。事実と異なる話を掲載されたショックに加え、訂正のために時間と労力を費やしたことへの憤りを表明した。

内田氏と望月氏が謝罪

内田氏はXで共著者として謝罪し、校正段階で誤りに気付かなかったことを認めた。

望月氏もXで謝罪し、編集者を通じて直接説明と謝罪の機会を求めたと明らかにした。

一方、産経新聞の取材には、対談の編集過程で別の話と内容が混同された可能性があると説明。録音や書き起こし、文章化の経緯を確認しているという。

内田氏も著作を「出し過ぎ」ているという認識はあったようだ。自著のクオリティ・コントロールができていないという自覚まではあったのだろうか。

ジャーナリストとしての説明責任

今回の問題は単なる誤字脱字ではない。実在する高校生の発言が別人のものとして紹介され、存在しないエピソードまで掲載されたことは重大だ。

望月氏は日頃、権力者に説明責任を求めるジャーナリストとして活動してきた。その姿勢は、自らの著書に事実誤認があった場合にも当然求められる。

なぜ複数の誤りが校正を通過したのか。訂正と謝罪だけでなく、編集過程の検証と当事者への丁寧な説明が求められる。

『常識なき世界を生き延びるために』の書影

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