サンリオは10月29日、TBSの人気ドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」とのコラボレーションを全面的に中止すると発表しました。
【参照リンク】VIVANT×サンリオキャラクターズ コラボレーション終了に関するお知らせ 株式会社サンリオ

ドラマに登場する中国の諜報機関による拷問描写などが中国国内で批判を浴び、中国メディアがサンリオにも矛先を向けていました。
サンリオは「企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断」したとして、関連商品の展開やプロモーション活動を中止すると説明しました。今後はコラボ企画の確認体制を強化する方針です。
中国メディアが「ハローキティは日本の右翼と踊るな」
問題となったのは「VIVANT」第2シーズンです。劇中では、自衛隊の非公認諜報組織「別班」のメンバーが、架空の中国の情報機関に拘束され、指を切断されるなどの拷問を受ける場面が描かれました。
中国メディアは、こうした描写が中国を悪役に仕立て、日本の過去の戦争犯罪を中国に置き換えていると批判しました。
さらに中国共産党機関紙「人民日報」系の環球時報は29日、「ハローキティは日本の右翼と踊るべきではない」と題する社説を掲載。サンリオが反中的な作品と協力すれば、売り上げだけでなく信頼も失うと警告しました。
サンリオの中国法人は28日夜、中国のSNS「微博(ウェイボ)」で謝罪とコラボ中止を発表。翌29日には日本本社も同様の決定を公表しました。
「みんななかよく」は中国の批判にも適用?
サンリオは「みんななかよく」を企業理念に掲げています。確かに、子どもにも親しまれるキャラクターと拷問を扱うドラマとの組み合わせには、議論の余地があります。そもそも「VIVANT」の世界観と「みんななかよく」が両立しないことは元からわかっていたことです。
しかし、具体的にどの表現が企業理念に反するのかは明らかにされていません。中国メディアの批判直後の中止だけに、政治的圧力への配慮ではないかとの見方もあります。
一方、TBSの龍宝正峰社長は28日の記者会見で、ドラマはフィクションであり、特定の国家をおとしめる意図はないと説明しました。
中国市場への配慮か、表現の自由への萎縮か
サンリオにとって中国は重要な市場です。ロイター通信によると、中国事業の2026年度第1四半期の売上高は98億円で、前年同期比約25%増加しました。
ネットではサンリオの対応を評価する声がある一方、外国からの批判によって日本企業の活動や創作表現が萎縮することへの懸念する声も見られます。
企業には協業相手を選ぶ自由があります。しかし、中国の政治的な批判が日本企業の判断を左右する状況が広がれば、中国に批判的と受け取られる作品との協業が敬遠されかねません。
今回の問題は、サンリオと「VIVANT」の相性だけではありません。巨大な中国市場への依存と、企業の自主的な判断、そして創作表現の自由をどう両立させるか。 日本企業が抱える難しい課題が浮き彫りになりました。

TBS公式サイトより







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