望月衣塑子記者の謝罪動画で抜け落ちた他人には厳しく自分には甘い「説明責任」

東京新聞の望月衣塑子記者が11月1日、自身のYouTubeチャンネルで謝罪した。内田樹氏との共著『常識なき世界を生き延びるために』(朝日新書)に、高校生の川中だいじさんに関する事実誤認が複数見つかった問題だ。

常識なき内田樹・望月衣塑子本に大量の誤りで販売中止・回収
自称哲学者の内田樹氏と東京新聞記者の望月衣塑子氏による共著『常識なき世界を生き延びるために』(朝日新書)が、書籍に多数の事実誤認が見つかった問題を受け、販売が中止され、回収されることになった。内田氏は11月1日、自身のXで「書籍は回収、Am...

朝日新聞出版は書籍の販売中止と回収を決定。望月氏は生配信で頭を下げたが、その謝罪のあり方にも厳しい視線が向けられている。

対談本の誤った記述について、お詫びを申し上げます
【お詫び】「常識なき世界を生き延びるために」(朝日新書)の中で、川中だいじさんについて事実と異なる記述を公表してしまいました。著者としての確認が不十分だったためです。川中さんとご家族に大変つらい思いをさせ、対応も遅れてしまったことを、心から...

謝罪内容は以下の通り。

1. 事実と異なる記述を謝罪
内田樹氏との共著『常識なき世界を生き延びるために』で、高校生の川中だいじ氏について事実と異なる記述を掲載したことを認めた。

2. 著者としての確認不足を認める
原稿の確認が非常に不十分だったため、今回の問題が起きたと説明した。問題について最大の責任は自分にあるという認識を示した。

3. 川中氏や関係者への謝罪
川中氏本人だけでなく、家族や学校関係者にもつらい思いをさせたことを謝罪。「本当に重く重く受け止めています」と述べた。

4. 誤った記述が生じた経緯は調査中
弁護士とともに当時の対談記録などを照合し、なぜ事実と異なる記述になったのか調査していると説明した。

5. 直接謝罪と経緯の公表を約束
川中氏の代理人を通じて、本人に直接説明・謝罪する機会を求める意向を示した。また、調査結果がまとまり次第、経緯を公表して改めて謝罪すると述べた。

重要なのは、望月記者が確認不足の点については自らの責任を認めて謝罪した一方、なぜ事実と異なる記述が生じたのかについては具体的になにも説明していないことだ。(時間にして3分に満たない)

謝罪動画で幕引きできるのか

川中さんが出版社に訂正を申し入れたのは10月17日。望月氏がXで謝罪したのは28日で、本人への直接の説明も遅れた。川中さんは「謝罪だとは受け止めていない」と不満を表明している。

望月いそことオッカ君チャンネルより

しかも、問題の本は対談をライターが原稿化し、著者や編集者が確認したものだった。それでも本人への事実確認は行われず、望月氏自身も誤りを見逃した。

権力者には説明責任を厳しく要求するのに、自分の問題になると謝罪が後手に回る。この落差が批判を招いている。

過去にも誤報や取材トラブル

望月氏の問題は今回が初めてではない。

2025年1月には、伊藤詩織氏の映画について、非公開集会の映像が許諾なく使用されたと報道。東京新聞は一部の発言者から許諾を得ていたことが明確でなかったとして、見出しと本文を訂正・謝罪した。伊藤氏は名誉毀損で望月氏を提訴したが、後に取り下げた。

森友学園問題では、自殺した赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、望月氏に渡した取材資料の扱いや連絡が取れないことへの不満を表明した。望月氏側との認識には食い違いがある。

さらに週刊誌では、望月氏の社外活動や収入についても問題提起されている。ただし、無許可の副業だったかどうかは確認が必要だ。

東京新聞の責任も重大

東京新聞の朝刊販売部数は約34万部。知名度の高い望月氏は同紙の広告塔ともいえる存在だ。

しかし、著名記者だからといって特別扱いは許されない。東京新聞も今回の問題を重く受け止め、謝罪と説明責任を果たすよう求めている。

他人の不祥事は徹底追及し、自分の不祥事は謝罪動画で済ませる。そんなダブルスタンダードへの疑念を払拭するには、誤りの発生経緯を明らかにし、責任を具体的に示すしかない。

対談本の誤った記述について、お詫びを申し上げます
【お詫び】「常識なき世界を生き延びるために」(朝日新書)の中で、川中だいじさんについて事実と異なる記述を公表してしまいました。著者としての確認が不十分だったためです。川中さんとご家族に大変つらい思いをさせ、対応も遅れてしまったことを、心から...

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