GMO熊谷正寿氏の関連会社に3.58億円:ジェット・船舶・ワインに巨額支出の疑惑

サイバー攻撃による情報流出問題で、11月2日に謝罪会見を開いたGMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長に、新たなガバナンス上の疑問が浮上している。

週刊文春は、ジェット機や船舶に累計17億円、ワイン関連に4億円という巨額の支出を報じた。これらがどこまで正当な事業経費なのか、会社の私物化を疑う声が出ている。

熊谷氏の関連会社に年間3億5800万円

GMOの2025年12月期有価証券報告書によると、「株式会社熊谷正寿事務所」に対し、航空機および船舶の利用料として3億5800万円が支払われていた。

同社は熊谷氏が議決権の過半数を保有する会社で、2024年の1億4600万円から約2.45倍に増加した。ただし、2023年には3億7000万円が開示されており、過去最高ではない。

GMO熊谷正寿社長インスタグラムより

GMOは取引条件について、他社の価格などを参考に適切な社内手続きで決定したと説明している。しかし、具体的な利用目的や利用者、航空機と船舶それぞれの内訳は明らかではない。

「業務利用」なら会社負担は当然なのか

熊谷氏側は、業務で利用している以上、会社負担は合理的だという立場だ。

確かに、経営者が海外出張や重要顧客との商談にプライベートジェットを使う合理性はある。移動時間の短縮や機密保持というメリットも考えられる。

しかし、業務利用であることと支払額が適正であることは別問題だ。

なぜ一般の航空会社やチャーターサービスではなく、熊谷氏の関連会社を利用する必要があるのか。市場価格と比較して割高ではないのか。私的な利用は含まれていないのか。監査法人が財務諸表に適正意見を表明していても、個々の支出の経済合理性まで保証するわけではない。

問われる上場企業のガバナンス

もちろん、ジェット機や船舶、ワインに巨額の費用を投じること自体が問題なのではない。企業価値の向上に役立ち、費用に見合う効果があれば経営判断として認められる。しかし、経営トップが支配する会社に上場企業の資金が流れる「関連当事者取引」は、利益相反の危険を伴う。

しかもGMOでは、サイバー攻撃への対応をめぐり、以前から指摘されていたシステムの脆弱性への対応も問題になったばかりだ。セキュリティ対策への投資は十分だったのか。一方で経営トップの関連会社への支払いは適正だったのか。経営資源の配分も問われる。

GMOは利用実績や価格の妥当性、独立社外取締役による監督体制を具体的に説明すべきだろう。涙の謝罪会見より、株主と顧客が求めているのは数字と事実に基づいた説明ではないだろうか。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント