将棋界で史上初の女性棋士となることが決まった西山朋佳女流四冠(31)が11月5日、東京都渋谷区の将棋会館で予定されていた第75期王座戦1次予選の宮田敦史七段(45)との対局を欠場し、不戦敗となった。
日本将棋連盟によると、西山女流四冠から事前に体調不良の申し出があったという。棋士編入を表明してから初めての公式戦だっただけに、注目の一局は思わぬ形で実現しなかった。
「棋力の担保は取れていますか」
結局藤井さんのこの一言に全てが詰まっていたと思う。
実力が伴わない者に下駄を履かせれば、必ずその本人も苦しむ事になります。そして負ければ「やっぱり女は」と女性全体の評判を下げる事になります。だから地位というのは遠回りでも実力で掴ませるべきなんです。 https://t.co/DZyjMcdVqd— 若葉 (@t77VQkZKDzLpvdz) November 5, 2026
女性初の棋士誕生をめぐる賛否
西山女流四冠は10月10日、女流棋戦最高峰の白玲を防衛し、通算5期目を獲得した。これにより2025年に新設された棋士編入制度の条件を満たし、2027年4月1日付でフリークラス四段となることが決まった。

西山朋佳女流四冠
しかし、この新制度には当初から賛否があった。従来、棋士になるには奨励会三段リーグを突破するか、棋士編入試験に合格する必要があった。西山女流四冠自身も2025年の編入試験では不合格となっている。
それが女流タイトルの実績によって棋士資格を得られることになった。女性の活躍の場を広げる制度改革である一方、棋士としての実力をどう保証するのかという疑問も残る。
藤井聡太が投げかけた本質的な疑問
この問題を象徴するのが、藤井聡太六冠の発言だ。
2025年6月の棋士総会で、新制度について藤井六冠が「棋力の担保は取れているのでしょうか」と質問したと『デイリー新潮』が報じている。ただし、これは出席者の証言に基づく報道であり、藤井六冠自身が制度に反対したと断定できるものではない。

しかし、この問いには新制度の本質的な問題が凝縮されている。
将棋は最終的に盤上の実力がすべてを決める世界だ。女性の進出を促すためとはいえ、実力の裏付けが不十分なまま資格を与えれば、本人が最も苦しむことになりかねない。
さらに、棋士として結果を残せなければ「やっぱり女性には難しい」という偏見を強め、後に続く女性たちにも悪影響を及ぼす恐れがある。
だからこそ、女性の地位向上を目指すのであれば、遠回りに見えても実力によって地位を勝ち取る道を重視すべきではないか。
西山女流四冠に実力を証明してほしい
もちろん、西山女流四冠の実績を軽視することはできない。奨励会三段まで進み、棋士相手の公式戦でも勝利を重ねてきた。2024年には編入試験の受験資格を自力で獲得している。
『デイリー新潮』によれば、棋士相手の公式戦成績は48勝55敗。棋士に匹敵する実力を持つことは確かだが、制度による編入が妥当かどうかは議論の余地がある。

今回の不戦敗は体調不良によるものであり、棋力とは無関係だ。ただ、2027年4月からは棋士と女流棋士の「二足のわらじ」で厳しい競争に臨むことになる。
女性初の棋士誕生という歴史的な肩書だけでは、その評価は決まらない。
真の男女平等とは、女性だから特別扱いすることではなく、男女を問わず同じ実力の基準で評価することではないか。
藤井六冠が投げかけた「棋力の担保」という問いへの答えは、これから西山女流四冠が盤上で示すことになる。







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