
10月上旬に訪ねた北海道。今回の旅程は全部終えたのですが、まだ少し飛行機までは時間がありました。時計台や旧道庁などの観光地に行くのもいいけれど、ちょっと違う場所に行きたい。ということで、前々から訪ねてみたいと思う場所に行ってみることにしました。地下鉄南北線にのってやってきたのは南平岸駅。

地下鉄なんですが、ここは地上駅。南北線は南平岸の手前から南は地上区間です。ただ、多雪地域なので線路はシェルターで覆われています。この区間は昭和44年まで走っていた定山渓鉄道の廃線跡を転用しています。
南平岸駅は、平岸霊園が近くにあるため、私が学生だった平成初期までは「霊園前」という名前でしたが、イメージが悪いということで平成6年に南平岸に改称されました。駅やその周りを歩きましたが、アパートの名前やコンビニの名前も平岸、または南平岸で「霊園前」の痕跡はありませんでした。

駅から5分ほど歩くと、小高い丘のある公園に来ました。ここが今回の寄り道の目的地、「平岸高台公園」。その名の通り平岸段丘の中にあって高低差のある公園です。この公園、あるローカル番組のロケ地として全国的に有名になりました。


表側にはHTBのマスコット、onちゃんのシルエットが描かれています。
その番組は「水曜どうでしょう」。今や全国区となった大泉洋さんが駆け出しのころに出演し、人気となった深夜番組です。平成8年から平成14年まで、HTB(北海道テレビ)でレギュラー放送されていたローカル番組だったのですが、旅行好きな人はみんな大好きな「日本全国サイコロの旅」や、大泉さんとディレクターとの掛け合いが人気を博し、今も全国で語り継がれる伝説の番組となりました。
公園の一角にはHTBが寄贈した石碑も建てられており、この番組はいかに人気だったかが窺い知れます。日本全国サイコロの旅は今も有名な交通系Youtuberが真似していますからね。

散歩するにはもってこいの小春日和です。近所の子供たちがボール遊びを楽しんでいました。こんな普通の公園で大泉洋さんらが坂を掛け落ちてきたり、絡み合っていたなんて何とも不思議な気分です。

HTBがこの公園を「水曜どうでしょう」で使用していたのは、「テレビ局から近かったから」。HTBの旧本社は公園の北東のほぼ隣接するくらいの場所にありました。HTBは平成30年に市街地に移転しており、今はセイコーマートや住宅地になっている跡地の一角に、HTB開局の石碑がありました。ここにもマスコット、onちゃんの姿があります。
ちなみにonちゃんは平成9年に開局30周年を記念して登場したマスコット。記念の年1年だけ使うはずだったのですが、安田顕さん扮するonちゃんの着ぐるみが大泉さんらにボコボコにされたりしたことで人気を博し(?)、今やHTBを代表するマスコットになりました。

地下鉄に乗ってすすきのに戻って来ました。早速「水曜どうでしょう」の主役、大泉洋さんが出迎えてくれます。全国を夜行バスで飛び回っていた駆け出しの時代は今は昔、今や紅白の司会まで務められており、まさに北海道が生んだスターです。
飛行機まで少し時間があるからと立ち寄っただけの南平岸。そこにはもう昔のHTB社屋はなく、私の記憶にある「霊園前」という駅名もありませんでした。それでも、平岸高台公園の坂では子どもたちが遊び、その向こうには「水曜どうでしょう」の時間が今も重なって見えます。
札幌の旅の最後に選んだ、ごく普通の公園。時計台とはまた違う札幌の時間に触れられた、いい寄り道になりました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2026年11月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。







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