鳩山首相の外交初陣でしたが如何だったでしょうか。
本稿は前項に続き、報道の問題と鳩山内閣の安全保障について論じます。
9/15 MR. MORRELL: Well, listen. I — let’s take this separate and aside from the change of government that’s under way in Japan for a moment, and just tell you that we, as a member of a coalition that’s operating in Afghanistan; we, as an old ally of Japan’s, believe that their contribution to the war on terror, to the world’s efforts in Afghanistan is vitally important, and we would like to see them continue it.
It is a real benefit to our warfighters and thus it’s of real benefit to the people of Afghanistan. I wouldn’t read too much politically into this statement. I think I’m stating something that’s rather obvious. They have made an enormous contribution, and we’d like to see them continue that contribution.
「よく聞いてもらいたいが、この私の発言は昨今、日本で発生した政権交替とはまったく別個のものとして考えてもらいたい。我々、米国はアフガニスタンにおける国際協力派遣部隊の一員として、また日本の古くからの同盟国として、テロとの戦いに協力している日本の貢献が、世界各国のアフガニスタンにおける平和努力にとって極めて重要であり、この日本の協力がこれからも継続するものと考えている。日本の貢献はアフガニスタンにおける戦闘員のためのみならず、アフガニスタン人民にとって真の利益になるものであり、私は敢えてこの発言に政治的な意味合いを持たせないが、どちらかと言うと極めて明白な事を述べていると思う。日本は今までに多大な貢献をしており、これからもこれが継続するものと期待している。」
(訳 岩間直彦)
―為政者としての立場―
民主党は先の総選挙の時あえて人権擁護法案や外国人地方参政権法案といった、国民生活にとって非常にデリケートな政策をマニュフェストからはずすと同時に、安全保障にかかわる重要な事案への対応もあいまいにしたまま、国民は民主党という選択をしました。
私達は民主党がこれまでの自民党政権が行ってきた安全保障に関する政策を民主党が基本的に継続することを確認していません。その中で浮上したのがこのインド洋に展開する多国籍軍への海上自衛隊の支援行動の継続案件です。
前回の法案の延長では民主党の反対で一旦インド洋から引き上げることになりました。現場では大変な失望と混乱がありました。小沢民主党が野党として、解散を迫る戦略を使用した国内の政局が、国際社会の協調体制にひびを入れたことは否めません。しかし今度は為政者としてこの問題にたいする答えをださなければならないのです。
―日米首脳会談―
国連総会の出席が鳩山政権の外交デビューとなりましたが、さてその成果は如何だったでしょうか。日米の首脳、外相がそれぞれ会談しましたが、安全保障についての言及はありませんでした。唯一核不拡散での共同歩調という発表はありましたが、デリケートな問題にはアメリカ側がむしろ踏み込まなかったという印象です。
前出のモレル報道官の発表は、海上自衛隊の補給継続を半ば「当たり前だ、同盟関係と政権交代とは関係ない」と言っています。そのメッセージをふまえて、オバマ大統領にすれば支援継続前提で、先の核不拡散の共同歩調を宣言しているともいえます。
―国内の報道は―
読売報道
【ワシントン=小川聡】米国防総省のモレル報道官は15日午後(日本時間16日未明)の記者会見で、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を来年1月以降は継続しないとする民主党の方針について、「古くからの日本の同盟国として、日本が給油活動を継続するのを見たい」としたうえで、「私は(日本に)要求はしていない。ゲーツ国防長官が『日本に給油活動の継続を要求してくれ』と言ったとは、聞いていない」と述べた。報道官は9日の記者会見で、給油活動の継続について、「強く促したい」との表現で「要請」していた。しかし、日本側から「日本が主体的に判断していく」(藤崎一郎駐米大使)などと反発されたことを受け、修正した格好だ。報道官はまた、「日本政府にとって、内政面で考慮すべき問題があるのは当然で、日本政府はそれらに対処しなければならない」と述べ、日本の判断を尊重する考えも示した。
読売の報道は9日の記者会見も含めた内容ですが、米国のメッセージを受取り様によってはまったく逆に報道しているように思えます。
―報道されないアフガニスタン情勢―
アフガニスタン・パキスタン北方の国境付近は事実上無法地帯になっています。タリバンはこの地域を利用して武器、弾薬、食料を補給しています。またパキスタン北方のスワット渓谷はタリバンの隠れ家といわれ、戦士の育成、休息、補給を行なっているといわれています。北方地域への作戦にはNATOも部隊を派遣しており、スワット渓谷へは5月からパキスタン軍が制圧作戦を実施しています。
北方へ部隊を集中すれば、南方の治安が悪化するといった、いたちごっこが続いています。タリバンの犯行かどうか確認は出来ませんが、南方のハイウエイでは中国人技術者三人が誘拐され殺されるという事件も起きています。ですから増派論が出てくるわけです。
アフガニスタンへの増派をめぐってはアメリカ世論、議会とも大統領を必ずしも支持しているとはいえません。特に議会は増派に野党共和党が賛成し、おそらく与党民主党が反対にまわると予想され―下院では増派支持が13%しかないという調査結果もある―まことにいびつな現象を引き起こしています。
パキスタン国民も同じムスリムのタリバンには同情的で、パキスタン政府は今回のスワット渓谷への制圧作戦もアメリカから要請されてしぶしぶ同意したといいます。ましてやNATOにとっては911の延長線上にあるアフガン戦争に直接の利害はなく、むしろ核不拡散という安全保障上の一般民衆からは見えにくい観点からの部隊派遣ですから、EU各国の世論も当然に派遣反対なのです。
―アメリカの姿勢は一貫している―
ではオバマ大統領がなぜここまでアフガニスタンにこだわるのでしょうか?それはアフガニスタンの治安悪化が隣国パキスタン政府の弱体化につながり、そのパキスタンはイスラム国家唯一の核保有国だからです。もしこの核がタリバンもしくはアルカイダらイスラムテロ組織に渡ることは、アメリカの安全保障上許されることではなく、そのアメリカの同盟諸国にとっても同様だというのがアメリカ政府の一貫した姿勢なのです。
よってアメリカ政府もNATOもパキスタン政府も世論の支持を受けていないにもかかわらず、この戦争を継続し勝利なければならないと、オバマ大統領は増派を議会に要求し、NATO軍、パキスタン軍はその義務を果たし、我国にも支援の継続を依頼しているのではないでしょうか。
―それでも我国の事情だけで引き上げるのでしょうか―
八ツ場ダムの建設中止をめぐっての前原国土交通大臣の対応は非常にまずいと思います。特に「マニュフェストに書いてあるから」という理由で、最初に中止ありきで交渉にあたろうとした事は拙稚な手法だといわざるを得ません。
それでも国内問題であれば治権内でありますから、手立てのしようがありますが、外国が相手のしかも経済のような課題ではなく、安全保障上の問題で同様な手法を用いたら大変な問題に発展したでしょうが、鳩山首相も岡田外相も明言をさける―アメリカの配慮で―ということで乗り切りました。―パキスタンの外相は正式に支援継続を要請している―
今後、マニフェストや国内の世論などを理由に支援を打ち切るような事態になれば、同様に世論の不支持と戦いながら、それでも核不拡散に必要だと判断して戦っているアメリカとその同盟諸国は我国をどう評価するでしょうか。
―正確な報道が求められます―
政治問題、特に安全保障の問題は我国国民の関心ごとではありませんので、報道の量自体が少ないのは致し方ないにしても、その内容が不正確では問題があります。
先出のモレル報道官の発表に対する読売の報道を見ますと、あたかもアメリカ側が日本側に配慮しているかの印象を受けますが、16日の発表の英文をみる限り、そのようなことは一言も言っておりません。むしろ「同盟国として当然の責務」程度の印象を受けます。
国民はもし日本政府が給油支援を打ち切りにしても、報道を聞く限り当然と思うかもしれませんが、しかし実際は米国との関係に亀裂が入る可能性は否定できません。
なぜなら先にも述べた通り、アメリカのメッセージは「核不拡散のためにアフガン作戦を実行してきたし、今後も継続するので、今までの日本の貢献に感謝すると同時に、今後も貢献することを日本は承知している」ということです。そしてオバマ大統領と「核不拡散」で協力合意したのですから、給油については鳩山首相は了解済みと考えるのは当たり前でしょう。
外交交渉に政策的姿勢を持たず、その場しのぎで対処しますと、思わぬ齟齬をきたすことは歴史的に証明されている事実です。
コメント
>八ツ場ダムの建設中止をめぐっての前原国土交通大臣の対応は非常にまずいと思います。
民主党政権の大規模土木公共工事の見直しは2005年の「コンクリートから人へ」と「マニュフェスト」に書かれた時からこうなることは、予め十分分かっていたことだ。
民主党が政権を獲った後に政界・経済界・地方・マスコミが突然騒ぎ始めるのはチセツだと言わざるを得ない。
前原誠司氏や岡田克也氏のような政治的な原理主義者が、自身の今後の政治的なキャリア形成を考えた時に”難しい課題”に敢然と挑んで行くのは見ていて、清清しい思い、すらある。
2005年の郵政選挙で総選挙が小選挙区制で投票数が数%スイングすることで議席数が100単位で変化し、政府を構成する政党が変化することを私たちは理解することができた。
2007年参議院選挙において地方の1人区での民主党圧勝により、参議院では与野党が逆転した。
戦争以外で平時において考えうる最大の変化である政権交代を経た今、私たち日本人は、もしかすれば明治維新・太平洋戦争の敗戦の1868年・1945年にいると言えるだろう。
“八ツ場ダムの建設中止”は今後、私たちに訪れる大変化の前触れに過ぎないに違いない。
>”難しい課題”に敢然と挑んで行くのは見ていて、清清しい思い、すらある。
盧溝橋事件の後に、武藤章らが戦線拡大をして中国大陸に攻め込んだときに、あなたが生きていたら同じことを言ったであろう。清々しい感じと、やっていることの正しさとは全く関係がない。間違ったことを平然とやっているのに、立派だと言う人もいるものである。
石原都知事が会見で言ったことだが、「多目的ダム関連の法律がいくつかあるが、その中に、多目的ダムの着工、中止、延期に関しては、関連する知事と話し合わねばならないと規定する条項がある。前原大臣は気の毒だと思う。背中からは党是だと押され、地元は反対である。」
大臣の考えは間違っている。「中止する」といっても決められない越権行為をしているのである。「中止したい」と言って、関連する群馬、栃木、埼玉、東京、千葉、茨城の知事を説得して了解を得なければならない。それすら分からず「中止する」と言うのは、党名とは異なり党の本質、非民主なのだろうか。
民主党のマニフェストは何十年前の遺物ではありません。つい一ヶ月前に選挙で掲げられた公約です。このエントリーが指摘するような懸念はむしろ自民党政権にこそ当てはまることではないでしょうか?「治水」「利水」という二つの目的機能が果たせないことが判明している何十年も前からあるダム建設の計画を「もう決まったことだから」と言って止めないのは自民党政権だったはずです。なぜ民主党が中止を決めたのかという話もなく、「マニフェストに書いてあるから」という理由で中止を決めたなどと曲解するのは、あまりにもおかしな議論の進め方でしょう。
利水については農業の水利権を制限すれば解決する。治水については、杉の人工林をもとの原始林に戻せば、保水力も向上し、洪水のリスクも小さくなる。昨日、前原大臣も指摘していたが、ダムの工事を始めると、いつも工事費が予算よりはるかに大きく膨れ上がる。中止より工事続行が安上がりというのは嘘だ。
>「治水」「利水」という二つの目的機能が果たせないことが判明している何十年も前からあるダム建設の計画
判明したとは、そういうオーソライズされたものがあると言うことですか。一方的な立場の人達の、歪んだ告発は駄目ですよ。オーソライズされた資料を出してください。
八ッ場ダムを中止すると言うことは、2005年の民主党のマニフェストには出されたが、2007の参院選では、ひっこめた。そして2009年には出してきた。この程度のいい加減のものではないか。この党は、都合の悪い外国人参政権等はマニフェストには出さず、政権を取ったらやると言い出している。
外国人に国を売りたい連中がわんさかといるからね。それが、この人達の利権なんだろう。
中川さん、オバマはアフガンから撤兵しそうだよ。首になった前任者に代わりこの5月に着任した米軍及びNATOの総司令官Stanley McChrystalがいくら軍備を増強しても、軍事的な手段のみではアフガンでの勝利は出来ないとの報告書を出している。
米軍の死者は益々増えており、最新の世論調査ではアフガンに米軍が留まるべきと答えた米人は50%、直ぐ撤兵すべしと答えたのは43%、厭戦気分は高まる一方で、選挙の不正も公にされアフガン政府の正当性まで問題にされている。
ブッシュがイラクで失敗したのを良く見ているので、オバマは自分の命取りとなる同じ失敗を繰り返さないだろう。鳩山民主党がやろうとしている民生での貢献が意外と正解で先見性のあるものかもしれない。日本の新しいアフガン貢献がオバマの背中を押してアメリカの政策のCHANGEに繋がるかもしれませんよ。私はそう願いたいです。
>kakusei39
>>”難しい課題”に敢然と挑んで行くのは見ていて、清清しい思い、すらある。
>盧溝橋事件の後に、武藤章らが戦線拡大をして中国大陸に攻め込んだときに、あなたが生きていたら同じことを言ったであろう。
当時、日本陸軍上層部は事変不拡大の方針を打ち出していたが、 現地参謀であった武藤章に引っ張られて大陸での戦争に陥り、対米戦で破滅へと日本を導いた。
八ツ場ダムの建設中止(大型公共工事と言う戦線縮小)を唱える前原政治氏を支持する私が、なぜ日本を破滅に導いた日本陸軍や武藤章を清清しいと思うのだろうか?
1937年当時、日本陸軍上層部は、関東軍が満ソ国境においてソ連軍と対峙している中で中国における戦線拡大を警戒したため、事変不拡大の方針を打ち出し、国民政府との早期講和を模索し始めた。
しかし、 現地参謀であった武藤章は対支一撃論(”国民政府は日本軍による強力な一撃を加えるだけで屈服し、早期講和に持ち込める”)を唱え、国民政府に対し強硬姿勢で望み講和を引き出すという方針を陸軍上層部に訴えかけ、上海・南京を攻略した。
日本軍は強力な一撃を国民政府に加えることに成功したが、国民政府は屈服せず、これ以後、中国全土に事変が波及した。
対中戦争において長期戦略の無いまま、戦線不拡大を方針としていた陸軍上層部は武藤章らに引っ張られる形で中国全土での戦線をなし崩しに拡大していった。
それは日本が太平洋戦争へと突入し、19世紀後半から得た大陸の権益と自国兵士らを多数失い、アジア各地に大きな戦禍の傷跡を残した。
日本は全てを失い、尊厳さえも地に落ちた。
彼らが戦線を拡大してゆくときの論理は、日清・日露戦争で戦死した英霊の血で購われた大陸での権益を失ってはならないと言うものだった。
これは”彼岸の日”に先祖の墓を掘り返して苦渋の決断をしてダム建設に同意した私たちの気持ちをどうしてくれるのか、との住民の言葉に似ている。
>kakusei39
>石原都知事が会見で言ったことだが、「多目的ダム関連の法律がいくつかあるが、その中に、多目的ダムの着工、中止、延期に関しては、関連する知事と話し合わねばならない。」
>大臣の考えは間違っている。「中止する」といっても決められない越権行為をしているのである。「中止したい」と言って、関連する群馬、栃木、埼玉、東京、千葉、茨城の知事を説得して了解を得なければならない。それすら分からず「中止する」と言うのは、党名とは異なり党の本質、非民主なのだろうか。
石原慎太郎氏らが”名誉ある撤退”・政策転換を行う勇気を、果たして持ち合わせているものであろうか?
日本人のメンタリティとして、すでに多額の資金が投入されたり時間や人命が費やされた事業を中止・撤退することは容易ではない。
石原慎太郎都知事が強いリーダーシップで生み出した新銀行東京はこの最たるものである。
新銀行東京は08年3月期決算では累積赤字が1000億円を超えるまでになった。都議会で石原氏は清算する道を選ばず、破綻による大きな損失を避けるとして08年4月には東京都が400億円の追加出資を行った。
都議会は9月25日新銀行東京に関する特別委員会の設置を民主党・共産党などの賛成多数で可決した。
石原慎太郎氏は自分の責任で設立した組織の中止・撤退を決断することはできなかった。
それは若き改革者として颯爽と保守政界に登場した氏の晩節を汚し、老醜をさらすこととなった。
私が「前原誠司氏や岡田克也氏の難題に敢然と挑んで行くのを見ていて、清清しい思い、すらある。」と言うのは、総選挙において示された「民意」に彼らが真摯に向き合い、課題を解決しようとしているからだ。
私たちがこの20年以上にわたって見ることのなかった、行動するとはどういうことか?責任を取るとはどういうことか?、を見る思いがしたからだ。
>判明したとは、そういうオーソライズされたものがあると言うことですか
kakusei39さん
判明してるじゃないですか。利水の面では、90年以降対象水域に一貫して水需要は減少しています。また治水面でも、福田内閣時の国交省の国会答弁で、計画当初からの目的であったカスリーン台風並みの洪水に対して、治水効果はゼロであると自ら認めています。
ご自身でちゃんと調べて、それでもオーソライズされていないと反論されるのは結構ですが、そういうことすらいないで「資料を出してください」とは呆れますね。ちょっと調べればネットでもこれくらいのソースは出てきますよ。
それからダムを中止することの議論なのに、外国に国を売るだとか、意味不明な話をしだすところを見ると、あなたはかなり偏った思考をされる人のようですね。
中川です。
議論が本旨とは多少違いますが、私はダム建設についての諾否を述べているわけではありません。目的を達成するための手法が間違っていると申しているだけです。
中止反対の集会のインタビューである女性が「これは亡くなった主人のためなのです」と発言されてましたが、こうなってしまっては、もう利水や治水などといった、正論など通じないと思います。あの女性にとってダム建設は推進は亡き夫の意志であり、その意志を成就させるための「愛」になりました。
全国の聡明な女性は彼女を応援するでしょう。そして家庭で理路整然と建設続行の愚かさを男性が話すとすると、次の日から自炊生活になることでしょう。
私達は憲法改正を理路整然と論じてまいりましたが、結局今日を迎えております。私達は敵のしてはいけない人たちを知っています。その人たちを前原大臣は敵にしました。
今月4日、アフガニスタン北部のクンドゥズ州で国際治安支援部隊(ISAF)がタリバンに乗っ取られた給油用のタンクローリーを空爆し市民が巻き添えとなり、死亡したおよそ100人のうち30人は市民だったと言う。
米・EU諸国を中心とするISAFがアフガニスタンで行う作戦は、反政府武装勢力タリバンを掃討しアフガニスタン国民に平和をもたらすことに失敗しているように見える。
最初、「神から見放された」国アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)の作戦行動は、世界にテロ組織を蔓延ることを許さず、それらに蹂躙されている無辜の民を救う、倫理的な響きがあったのではなかったか?
確かにモレル氏は「テロとの戦いに協力している日本の貢献が世界各国のアフガニスタンにおける平和努力にとって極めて重要であり、…アフガニスタン人民にとって真の利益になる。…日本は今までに多大な貢献をしており、これからもこれが継続するものと期待している。」と言うが、ISAFによるアプローチが破綻しつつある今、単にこれまでの延長線上で日本がコミットすることは関係する全ての者が不幸となるに違いない。
それで、民主党政権には日本として世界とアフガニスタンの平和に責任を持つ行動をする際には、八ッ場ダム中止に見られたようにこれまでのユキガカリやダセイに流されるのではなく、”ゼロベース”でその是非を論じこれまでに足らなかった部分を補って、目的を果たしてもらいたいものだ。
中川さん、あなたの回りの女性だけを見て女というものはと言ってませんか。
中村哲「ペシャワール会」代表らは永年にわたりアフガニスタンの医療や水源確保、農業支援の活動を行っている。
中村氏は「アフガン人はほとんどが農民で、子供も小さい時から大人と一緒に農作業をしているから、共有の文化として身についている。用水路つくりの参考にしたのが日本の伝統的な農業土木技術だ。針金で編んだかごに石を詰めた蛇籠をアフガンの用水路の護岸に使っている。これなら現地の人が補修・維持でき、経済的でもある。アフガンで使えるものを求め、日本の中世から江戸時代にかけての水利施設を見て歩いた。」(‘06.11.28,朝日新聞)と言う。
先日テレビで、中村氏らが引いた用水が満面の水を湛え、農地では見事な麦秋を迎えている様子が放映されていた。
米・EU諸国を中心とする国際治安支援部隊(ISAF)が行う作戦では、航空機・ミサイルなどの重火器を用いタリバンのみならず、市民をも殺傷し彼らの資産や農地をも破壊し尽くす。
中村氏らのアプローチのように荒廃した農地を灌漑しアフガニスタン人らがその土地にしっかりと定住することができるようにすることこそが、その地に安定をもたらし、世界へのテロを拡散を阻むことになるのではなかろうか?
satahiro1 さん わたしの言いたいことをよくいってくれました。深謝です。オバマもアフガニスタンへのさらなる軍事介入が第2のベトナム戦争になることに気づいているのでしょうが、アメリカの軍事産業の雇用とのからみで今ジレンマとなっているのでしょう。しかし、いずれは選択をせまられるでしょう。
seki289539 さん
引用された国会答弁などオーソライズにならないですよ。
ご存知ですか、群馬県の住民らが八ツ場ダムに関連して群馬県知事と群馬県企業管理者を訴えていた裁判の判決が今年の6月26日に出ている。
それによれば、国会答弁に使われた資料を用いて、「カスリーン台風そのものが再来した場合に八ッ場ダムの治水効果がゼロであったとしても、そのことから直ちに八ッ場ダムが治水上不要であることはできない。そして、降雨のパターンによっては、八ッ場ダムに治水効果が認められることが、原告らが引用する…国土交通省の試算によって明らかであり・・」と群馬県側の勝訴です。
あんたの負けです。治水効果はあるのです。
この程度の検索が出来ずに偉そうなことは言わぬが華。