成長率11.9%の中国にチャンスを求める。 - 小谷 まなぶ

小谷 まなぶ

 昨日のニュースで『中国の経済成長率11.9%』という非常に好景気な数値が発表された。今の上海は、万博開催を間近にひかえて、非常に活気がある。
 


 私は、上海に住み始めて14年目になる。今は、上海市内の中心地に住んでいる。市内中心で走っている車をみると、ほとんどが高級車である。BMW、ベンツ、ポルシェなど、高級ドイツ車を至る所で見る。中には、マセラッティーや、フェラリー、ランボルギニーという超高級スポーツカーまで街の中を走っている。
 比較的、日本車は少ない。
 
 自動車の販売価格は、決して安くない。日本の新車ディーラーで販売している価格の1.5倍~2倍程度の価格で売られている。
 上海市内では、日本円で、1000万円以上する車が、ごろごろ走っているのである。

 上海の中心地のマンション価格は、平米単価で50万円を超え、中には、平米単価100万円以上するようなマンションまである。
 
 2000年の頃は、市内中心地のマンション価格は、平米単価10万円程度であった。当時の上海を思い起こせば、上海は、大都市の割に物価も安く過ごしやすい街だったが、今は、それなりの文化水準で生活しようと思えば、日本以上にコストがかかる。

 最近の日本は、デフレ傾向が強く企業競争が激化して、格安なものが増えた。その結果、MADE IN CHINAの商品であっても、日本国内の販売価格が、中国国内の販売価格よりも安い場合がある。
 
 そのことを考えると、日本の商売は、よっぽど、利益が出せない商売をしていることが言える。
 
 日本のバイヤーの中には、今まで中国の工場で日本向けの商材を委託生産していた企業も、日本向けの販売だけを考えるのではなく、日本向けに作っていた商品を、中国国内で販売しようという動きが強くなってきた。その理由は、中国国内販売をしたほうが、利益を出せると言うのである。
 
 今年は、中国最大のB TO C ECサイトのタオバオとYAHOO JAPANが提携して、日中間で商品販売を始める。また、日本最大のECサイト 楽天と中国の百度が合弁会社を設立して、中国国内でECサイトを始めることが決まっている。
 

 このような動きを見ても、日本企業が生き残りをかけて、中国生産で中国販促を行なうビジネス。また、日本生産で、中国販促を行なうビジネスが非常に活性化すると予想できる。
 
 しかし、ここで注意しなければならないのは、中国国内で収益を上げるビジネスをする場合は、中国国内で小売業を行なうための法人を持つことが義務付けられている。
 中国で、外国人が法人を登記する際には、資本金の部分でハードルが高い。
 上海市内で物販会社を外資で登記する場合は、1000万円以上の資本金が要求される。
 中国ビジネスは、チャンスが有りそうに見えるのだが、参入障壁が高いことが言える。

 ネットショップの世界は、中小企業、個人商店レベルの企業が多いので、この部分の参入障壁をどうクリアーするかが、中国ビジネスに参入するためのポイントになるだろう。

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