菅=小沢政権では民主党は壊滅する - 池田信夫

2010年06月03日 08:58

鳩山首相の退陣にともなって、4日に民主党の代表選挙が行なわれます。今のところ菅直人氏が立候補を表明し、党内で150人以上の勢力をもつ小沢一郎氏もこれを支持しているようです。これに対して「反小沢」勢力が結集できるかどうかが勝負でしょう。昨年の代表選挙では岡田克也氏が立候補したが、小沢氏の支援した鳩山氏に時間切れで及ばなかった。


これはかつて田中角栄が失脚したあとも「闇将軍」として自民党内に大きな勢力を維持し、歴代の政権をあやつっていた状況に似ています。どの政権も首相に最終決定権がないため、二重権力の矛盾に苦しみ、思い切った改革ができないままバブル崩壊で日本経済が壊滅しました。これによって成立した細川政権も、実質的な権力は新生党の小沢代表幹事にあり、党内の対立で崩壊しました。

小沢氏の支援によって菅首相が誕生すると、同じように小沢氏に依存した政権になるでしょう。乗数効果も知らない菅氏にまともな経済運営ができるはずもなく、参院選のマニフェストはまたバラマキ福祉・増税先送りの小沢路線になると予想されます。先日、ニコニコ動画で同席した民主党の尾立議員は「増税は次の衆院選後というのが既定方針」といっていました。

しかしあと3年も財政再建を先送りしたら財政危機はさらに深刻化し、金利上昇などの危険な状況になるおそれが強い。菅氏はさすがにそれを気にしているようですが、選挙至上主義の小沢氏の影響力が残るかぎり、大きな軌道修正はできない。来年度予算編成の重荷になっている子ども手当についても、党内に減額論が出ていますが、小沢氏は許さない。

こうした二重権力状態が続くと、参院選でも民主党は大敗するでしょう。自民党が参議院第一党になると「ねじれ」状況に戻り、かつて民主党が主張したように政権の正統性も危うくなります。みんなの党などの「第三極」との連立で過半数を維持するために菅代表が首相を退き、みんなの党の渡辺喜美代表などが首相に就任する可能性もあります。しかしこのような中途半端な政権では、思い切った政策は実行できない。

民主党は過去の失敗に学び、小沢氏の影響力を断ち切って自前の政権を構築すべきです。このまま政治が迷走して問題を先送りしていると、財政破綻などの取り返しのつかない事態になります。具体的に誰が望ましいかはわかりませんが、anyone but Kanです。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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