衆参同日選挙の制度化を - 池田信夫

2010年07月21日 17:41

参院選で民主党が大敗したことで、衆参の「ねじれ」が決定的になった。首相の在任期間が短いことや消費税率が主要先進国でもっとも低いことも指摘されているが、これらの問題には共通の原因がある。選挙が多すぎるということだ。新憲法のもとで行われた選挙は衆議院23回、参議院22回の合計45回で、平均1.37年に1回である。これは主要国でもっとも短い。


民主党が模範とするイギリスの下院選挙は平均4年で、上院は選挙で選ばれないのでねじれは起こらない。アメリカの下院は中間選挙があるので2年だが、選挙が同時に行なわれるので、ねじれが問題になることは少ない。大統領と議会の対立は日常的だが、これは行政府と立法府なので、日本とは性格が違う。日本の衆参両院のようにほとんど同格の議会が同じことを二度審議するのは、世界的にも珍しい。

どこの国でも増税を掲げた与党は選挙に負けるので、今回の結果は意外ではない。問題は、次の選挙までの時間が短いので、政権が安定している時期に増税できないことだ。このため政治家は、税制改正より次の選挙を優先して増税を先送りしがちになる。選挙で与党が負けるのもよくあることだが、負けるたびに与党の党首が「切腹」するのも日本的な習慣で、選挙の間隔が短いと首相の寿命も短くなる。

昔から「参議院無用論」があり、憲法改正でも検討項目になっているが、憲法問題になると是正は容易ではない。公職選挙法を改正して衆議院を小選挙区、参議院を比例代表とする案も昔からあるが、選挙制度の改正も50年に1度しかできなかった。

私は、最小限の制度改正でできる「近道」として、衆参同日選挙を義務づけてはどうかと思う。具体的には、公選法を改正して「首相が衆議院を解散したときは、選挙は次の参院選と同時に行う」と決めるのだ。これによって、2013年までに衆議院を解散した場合は、2013年の参院選と同時に総選挙を行なう。こうすれば衆参の多数派が一致するので、ねじれが起こる確率は低くなる。

首相の解散権を制約するという反論があろうが、いわゆる7条解散が憲法の想定したものかどうかについては議論がある。少なくとも、与党の都合のいいときに選挙ができるよりは、3年に1度ぐらいに制限したほうがいいだろう。これによって首相の寿命は少なくとも3年にのび、税制論議も冷静にできるようになると思うが、どうだろうか。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑