ホワイトスペースは、ホワイトにならず - 真野 浩 -

2010年08月09日 13:56

先週総務省より、「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」報告書の公表及び「ホワイトスペース特区」先行モデル決定という報道発表があった。

この発表をみると、わざわざ有識者の皆様で、欧米と異なる手法を出す事で日本独自の方向を打ち出したようだ。 しかし、VHFのマルチメディア放送もあり、このホワイトスペースでもワンセグ型による放送がほとんどいうのは、いったいどういう事だろう。


結局のところ、放送バンドは、いつまでたっても放送系が主導で、解放されないということではないだろうか。 それのどこがホワイトスペースなんだろう。

以前にも、アゴラに投稿したが、FCCのR&Oは、最低限のルールのみを策定し、そのうえでのアプリケーションや実装には踏み込まないで、民間による自由な参加と規格の策定を促している。 これに対して、今度の発表は、電波資源をどう共用化するか、多重化するか、有効利用するかという点の議論が充分に無いまま、またしても誰が,何処で,何をという垂直統合型提案のオンパレードで、それを裁量行政により採択するという根本的手法を一切変えていない。

また、国際標準化にしても、このスライドには実装をして、それを適時国際標準化へ提案するというレベルで、現在のフォーラム型国際標準のように、はじめから国際協調して土俵をつくり、そのうえで自由に実装標準の競争をするといスタイルに対する認知が皆無だ。

つまり、日本方式をつくって、それを他の国に提案して行くという、W-CDMAや地デジと同じ手法なのだ。 現在の標準化は、標準を何処でつくるかというのが重要で、そのためには世界の標準でどのレイヤーは、どの標準化団体が競争力があるかを見極めて、そこに参加することが圧倒的に優位なのだ。 そういう意味では、ヒアリグ対象者なども含めて、そういう現場に情報収集に来ている人はいても、活動している人はいないし、提案企業や団体は、完全にガラパゴスで生き残っている稀少個体という感じだ。

地デジ移行後の周波数再編も、このホワイトスペースも、結局は従来の電波政策の延長でしかないのは、とても残念だ。 国際競争力やイノベーション力を育成する土壌を、こういう報告をつくる方々が阻害しているのではないだろか。

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