棄民世代のサバイバル術

2010年09月09日 20:42

私は1976年生まれ、34歳の会社役員です。世代間格差について、小学生の頃から非常に大きな問題だと感じていました。それから20年以上経ちますが、根本的に問題の解決を図る動きが出てこないことに呆れています。


私は法政大学経営学部を1999年3月に卒業しました。大学3年の秋、北海道拓殖銀行や山一證券などの破綻による金融危機が起こりました。経営学部の就職内定率は、他の学部に比べてマシだったと思いますが、他学部のサークル仲間は相当苦戦したようです。就職浪人をしたり、時間稼ぎのために大学院へ進学した同級生も少なくありませんでした。労働省(当時)の「大学等卒業予定者就職内定状況等調査」によると、大学4年11月時点での就職内定率(全体)は、98年3月卒業者の73.6%から67.5%へ下がり、就職希望率は2%弱下がって75.1%になっています。大学4年の3月時点の就職希望率は69.4%にまで落ちており、就職を諦めた人の存在がうかがえます。

中学時代にバブル崩壊を経験した世代ですので、自分が就職する頃には後始末が終わっていると予想していたのですが、見事に外れてしまいました。

私は、大学卒業の翌月から、祖父が創業した会社で働き始めました。大学3年の秋から翌年3月末まで就職活動をしてみましたが、「休むも相場」という言葉を想起させる、虚しい時間の使い方であることを悟りました。大学4年時は、上限まで講義を受講し、最善とは言えないまでも悪くはない選択ができたことは、祖父に感謝しています。

今はまた就職氷河期の再来だそうですが、「整理解雇の4条件」の判例を覆す法律は未整備のままです。大学は、学生に就職活動を早めに始めさせるのではなく、解雇を原則自由にする法律制定を求める運動を全国的に展開すべきです。日本の大学は国からの報復を恐れるあまり、大切な学生たちを棄民に貶めているのです。

就職浪人をせずに済んだ私ですが、豊かな老人が貧しい若者を搾取する公的年金の仕組みには納得がいきません。不動産所有者の大多数は老人です。不動産を持っているなら、キャッシュが手元になくても、リバースモーゲージで老後資金を賄える可能性があります。不動産も金融資産も持っていない人には、元気な間は働いて、その後はベーシックインカムを充てるのがフェアだと思います。

生涯収入については、どの世代も公平にすることは難しいのですが、大きすぎる格差を放置しておいて良いはずはありません。私は、公的年金制度から脱退することを認めて、将来の受給権を放棄する選択肢を若者に与えるのがベストと思います。

しかしながら、このような提案が完全に無視されてしまうのが日本という国の現実です。出張で世界16カ国を回った経験から言えば、就職先を日本国内で確保できない若者は、外国で職を得て好きなだけ稼ぐのが良いと思います。日本で就職しても、足を引っ張る人が多すぎて、ろくなことがありません。今の日本を支配する老人たちには、いくら論理的に話をしても無駄だと諦め、頭の柔らかいうちに海外で生きていくスタイルを固めるべきでしょう。時間は有限なのですから。

いずれ日本では、不満分子による騒擾事件が多発するようになるでしょう。残念ですが、大規模な殺し合いが起こるまで悪化しなければ、この国は軌道修正できない(現在の若者が生きている間に軌道修正できる保証はない)と悟り、自助の精神でたくましく生き抜いて欲しいと思います。

私も、自分自身のことを棄民であると認識しています。海外に事業拠点をつくり、そちらに駐在することで、日本にある自社の社員の雇用を守りながら、世のためになる仕事を遠慮なく展開する準備をしています。国からも親の世代からも見捨てられた世代ですから、意地でも強かに生きていくつもりです。
(長井利尚 株式会社長井精機 取締役 twitter:toshihisa_nagai)

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