専用端末の愛称は『ガラパゴス』

2010年09月27日 15:31

9月27日、シャープは電子ブックストアサービスを12月にスタートさせると報道発表した。専用端末の愛称は『ガラパゴス』だそうだ。シャープは先にマイクロソフトと手を組んで『KIN』というスマートフォンを市場に投入しわずか2カ月で撤退したが、今度は『ガラパゴス』だという。そんなブランド名で大丈夫なのだろうか。

情報通信産業におけるガラパゴス化が批判され、個々の企業の経営戦略も政府の産業政策も見直しが迫られている中で、『ガラパゴス』を売り出すとはブラックジョークとしか思えない。ガラパゴス諸島は「新鮮なユーザー体験をもたらすサービスと端末の『進化』の象徴」であるとシャープは説明しているが、チャールズ・ダーウィンの「進化論」を読み間違えているのではないか。


『ガラパゴス』は「縦書き表示、ルビなどの日本語特有の表現に対応した電子書籍フォーマットXMDFに対応」しているそうだが、なぜ業界標準となりつつあるEPUBフォーマットではいけないのだろうか。日本電子出版協会はEPUB仕様を日本語組版に拡張するように働きかけているそうだが、そのような時期にXMDFにこだわる理由が分からない。

一人一人の利用者の立場では、フォーマットの異なる電子書籍が林立するのは迷惑である。そのような場合には、もっとも多くの書籍が閲覧可能なサービスと端末に利用者が流れていくことになるだろう。これは、テレビゲームや携帯型音楽プレイヤーなど先行した市場で繰り返されてきたことだ。サービスの開始時点で新聞、雑誌、書籍など約30000冊を用意するとシャープは発表しているが、そんな小さな規模で他に対抗できるのだろうか。

再び2カ月で撤退することにならなければよいのだが。

山田肇 - 東洋大学経済学部

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