関西は独立せよ

2011年01月02日 16:25

山口さんの記事で、大晦日のUsteream討論で出た話を思い出しました。日本の行き詰まりを打破するきっかけとして、大阪や名古屋などで起こっている「地方の反乱」が意外に大きな意味をもつかもしれないという話です。今のところポピュリズムという印象も強いが、ああいう騒ぎがあちこちで起こるのは、国政が何も変わらないことへのフラストレーションが人々の中にたまっているためでしょう。


一人あたりGDPの世界ランキングをみると、上位はルクセンブルク、ノルウェー、カタール、スイス、デンマークなど小国が多く、ベストテンのうちG7参加国は第9位のアメリカだけです。もちろんルクセンブルクやカタールなどには特殊事情があり、安易に一般化はできませんが、少なくとも国家には「規模の利益」がないことがわかります。大国は国内の地域格差を補填する必要があり、制度改革も小回りがきかないため、成長率が上がらないのです。

日本が北欧モデルを見習えといういう話もよくありますが、北欧の最大の特徴は人口が数百万人である上に、地方分権が徹底していることです。大きな政府というが、地方政府の規模は日本でいえば市町村ぐらいの非常に小さな政府です。国民負担率も地方ごとに違い、監視しやすい。日本のような大国で国民負担率を70%以上にしたら、役所の浪費で財政は破綻するでしょう。

財政赤字や年金の問題にしても、国家的規模で是正しようとすると官僚や業界団体が抵抗するので、民主党政権のように掛け声倒れになってしまう。「低福祉・低負担」の地方政府と「高福祉・高負担」の地方政府があって、納税者が「足で投票」できることが望ましい。地方政府に外交・防衛以外の機能はすべて移管し、徴税権も地方がもつ代わり、地方交付税は廃止して所得移転は行なわない。これが本当の「地域主権」です。

地方分権は、総論では反対がないのですが、各論になると抵抗が非常に強く、道州制の議論なども50年ぐらい前からありますが、何も進んでいない。小泉政権で「三位一体改革」が行なわれたのが数少ない例外ですが、地方が霞ヶ関に従属する基本的な構造は変わっていない。このような「上からの改革」では、霞ヶ関の既得権をおかさない範囲でしか分権化は行なわれないからです。

だから私が期待したいのは、大阪(あるいは近畿圏)や愛知がカナダのケベックやスペインのバスクのように分離・独立運動を起こすことです。特に関西は2府4県でみると、人口は約2000万人、GDPは82兆円で世界13位。韓国より大きな「独立国」になりえます。大阪府の橋下徹知事が各府県の知事にはたらきかけ、独立の是非を問う住民投票をやってはどうでしょうか。

もちろん今の憲法では、自治体が独立することは不可能ですが、地域の行政をすべて府県庁に一元化し、各省庁の出先をすべて地方政府に吸収すればいいのです。税はすべて地方税として税率は地方議会が決め、国政に必要な経費は地方からの「交付金」として霞ヶ関に払う。公用語も関西弁にすれば、新しい文化が生まれるかもしれません。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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