財政破綻は必至

2011年02月05日 13:41

というような扇情的なことを書くな、という指摘を間接的にいただいた。財政破綻は必至だと私は思っているが、それが扇情的だとは思わない。なぜなら、破綻は必至だが、狭い意味での財政破綻は結局起きないだろうし、財政破綻するかどうか自体は意味のない問題設定だからだ。


財政破綻の定義を、政府が支払いに滞り、公務員の給与支払いや支払いが行われなくなる、ということに限るのであれば、それは日本の場合には起こりにくいだろう。

その理由は、表面利率が現時点で低いことである。現在の国債利率は10年物で、1.2%程度だが、これが暴落して、一気に2%上がって3%となったとしても、1年間の国債発行高は借り換えも含めて150兆程度だから、最大でも利払いの増加額は3兆円だ。3兆円の利払い増加で、政府の資金調達がいきなり詰まることはなく、その意味では、普通の国債暴落では政府は破綻しない。

ここで、破綻にならない理由は、表面利率が低いことであり、これがデフレの恩恵である。リフレにより、インフレを起こそうとすると、まずは、資産市場がインフレになるから、名目金利は急騰する。リフレということは日銀が札をするか、政府が国債を大量発行するかであるから、名目資産インフレ率が高まるだけでなく、国債のリスクプレミアムも同時に急拡大するであろうから、名目国債金利の上昇は2%などでは済まず、5から10%の上昇となる可能性がある。そのときこそ、政府は財政破綻する。

だから、リフレ派が政権をとるか、政策を支配すれば、政府は財政破綻するが、それ以外では直接の破綻はしないだろう。

破綻しないなら、それはよかった、ということになるかというとそうではない。むしろ逆である。

つまり政府に対する規律がマーケットからは効きにくくなっているということであり、しかし、マーケット規律はどこかに効くから、そこにしわ寄せがいくということである。

その場所はもちろん銀行である。

生保ももちろん国債保有額が多いから、金利の2%上昇は、大幅な資産劣化であるから、減損あるいは実質含み損の急拡大となろう。しかし、生保は上場もしていないし、短期の資金調達は銀行ほどマーケットにさらされていない。

一方、銀行はほとんどが上場しているから、株価は暴落し、そして、それ以上にコールローンが市場で取れないことになろう。ここに1997年のジャパンプレミアム復活となり、ドル資金、ユーロ資金など国際資金が取れなくなる。

そこで、日銀の出番となるのであるが、これは国債そのものを国内で消化していても関係なく、グローバルフィナンシャルマーケットの洗礼を浴びるだろう。

国内預金も、世論やメディアの動向によっては、一気に外貨預金、外債にシフトするから、そこも安泰ではなくなるだろうし、国内指向の腰の重い人々は、海外へ資金を逃避させる力も意欲もないだろうが、彼らは郵貯シフトする能力と意欲はあるから、いずれにせよ、国内預金取り扱い金融機関は一気に破綻の危機に陥り、政府、日銀による資本注入、国有化というシナリオとなろう。

これは財政破綻ではないかもしれないが、日本経済破綻である。

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