「竹やりでB-29は落とせない」ことに気付かない日本人 part2

多田 光宏

「竹やりでB-29は落とせない」ことに気付かない日本人の記事は佐々木俊尚さん城繁幸さんにtwitterで拡散していただいたおかげで、twitter上でたくさん反響がありました。記事の内容に賛同して頂く意見もあった反面、批判が大変多く、しかも的外れな批判が多かったので、ここで批判に対して反論したいと思います。


私は「自粛しろ」などとは一言も書いてませんし、ヤザワ作戦を批難しているわけでもありません。「別にお金を使いたいなら自粛せずに使えばいいと思います。」と書きました。
私は自粛反対派です。自由に消費をすればいいと思います。今まで毎日ビールばかりを飲んでいた人が東北のお酒を飲むのもいいでしょう。
しかしそれでは全然足りません。ちょっとした個人消費をすることで満足してもらっては困ります。それよりもはるかに大事なことがあるでしょう。ということが言いたかったのです。
ヤザワ作戦の記事を書かれた人が日本の構造改革の必要性を実感していらっしゃるかどうかはわかりませんが、私にはそういうことを考えずに「個人消費で経済活性化!」という人がとても多いように感じられるので、あえてキャッチーなタイトルを付けて少しでも多くの人に気付いて欲しいと思い、前回の記事を書いたわけです。
経済活性化という言葉が良くなかったのかもしれません。経済成長のためにはどうすべきかと言ったほうがいいのかもしれません。

「戦時中の日本において、竹やりでB-29を落とす訓練をしていた」という話を私が史実だと思っていると思う人が結構いました。
いちいち明記しませんでしたが、私はこの話が史実だと思っていません。フィクションという前提で記事を書きました。(竹やりの訓練をしていたのは事実)しかしこのフィクションが生まれた背景には日本人の気質があり、今の日本人にも通じるところがあると思ったので比喩として使ったのです。

私は戦時中の日本人も今の日本人もバカにしたつもりはありません。むしろ真面目すぎることがいけないと思います。もっと「お上が決めた目的や制度」を疑って欲しいと思っています。
日本人は「お上が決めた目的をお上が決めた制度のもとで忠実に達成する」(お上とは会社組織なども含む)ことについては素晴らしい能力を発揮できます。
しかし今はその目的や制度自体が時代遅れになっています。
目的や制度が時代遅れになっては、どんなに個人が努力してもその努力が無駄になってしまいます。
だから個人の努力を最大限活かすためにも目的や制度を時代に即したものに変更する必要があります。
そうすれば日本経済は必ず復活すると思います。

日本をどう変えたいかということに関しては「東日本大震災から復興するための経済政策」に譲ります。分かりやすく言えば日本を「自由主義の国」にしたいということです。

内容が薄いという批判がありました。確かに自分でも大したことを書いているつもりはありません。しかしその薄い内容に気付いていない人が多いように感じられたので、前回の記事を書いたのです。

個人で出来ることと国家レベルの構造改革は違うという批判もありました。だから私は最後に気付いてない人に「制度を変えることが必要である」と気付かせることが重要と書きました。つまり個人でもできる復興のための最善の策は「制度を変える必要性を理解して、改革を受け入れる覚悟をすること」です。
「東日本大震災から復興するための経済政策」に書いてある改革を実行することは必ずしも日本国民全てが得をするわけではありません。むしろつらい立場に追い込まれる人も出てくるでしょう。
しかし改革を受け入れないで日本という船自体が沈んではもともこもありません。
今まで日本は誰からも反対の声が上がらないようなやり易い制度変更ばかりを優先させてきました。
これからは国民から反対の声が大きいであろう最も困難な改革(公的年金制度の廃止、解雇規制の緩和、消費税の増税など)から成し遂げるべきだと思います。
そのためには国民の理解が不可欠であり、だから各個人に「制度を変える必要性を理解して、改革を受け入れる覚悟」をしてもらう必要があります。
もし国民の多数が制度を変える必要性を理解して、改革を受け入れる覚悟をすれば、今まで改革の必要性を感じながらも国民の反発を恐れて何も出来なかった政治家も改革を実行できるはずです。
「個人にはヤザワ作戦ぐらいしかできない」という考え方は私は嫌いです。全ての人に「私にも日本全体のシステムを変えることができる」と確信してほしいのです。

あと私を批判される方は、まず日本をどう変えたいのか、それとも現状維持が一番いいのかを明確にして欲しいと思います。

平成の龍馬(多田光宏)
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