東北を電力ベンチャー拠点に

2011年04月25日 12:48

現在稼動している原発を止めるかどうかの議論はこれからのことでしょうが、少なくとも日本では新しい原発施設の増設は現実的ではなくなりました。とうぜん、化石燃料による発電は、資源価格の不透明性、また二酸化炭素増の問題があり、自然エネルギー利用へとむかっていくものと思います。しかし、なにゆえか太陽光発電だというにところに結論が集まりすぎているように感じます。あまりにも結論を急ぎすぎているのではないでしょうか。


どの発電方式が望ましいか、あるいはいくつかの発電方式の組み合わせ技術なのか、それはどのようなイノベーションが起こってくるかで変わってきます。

ソフトバンクの孫社長から、「自然エネルギー財団」設立、東北の復興事業としての「東日本ソーラーベルト構想」までが示されていますが、もちろん東北で太陽光パネル生産の拠点化を行えば、東北経済復興の役には立つでしょうが、問題はその後の運営がどうか、採算性がとれるのかの問題が残ります。

疑問に感じるのは、池田信夫さんもご指摘のように政府からの補助金を頼りにしなければ成り立たないというのでは、電力の本命といえるかどうかは危うさがあります。また太陽光は昼間の電力ピーク対策には有効でしょうが、天候に左右されるために発電量が安定しないという問題もあります。積雪地帯の多い東北で冬期の発電が確保できるのか、あるいは設備の保全も懸念されます。

池田信夫 blog : 再生可能エネルギーは原発の代わりにはならない

しかし、池田信夫さんのこの議論でも、「原発」対「太陽光」の二者択一のようになってしまっていることろが気になります。

自然エネルギーによる発電と言っても、なにも太陽光だけではありません。水力、風力、バイオマス、地熱などさまざまな技術がありますが、いずれにも課題があり、まだ本命だと断言できるものがあるとは思えません。

しかし、特に東北地方は、環境省が、風力や地熱、水力発電などで火力や原子力などによる現行の発電量を上回る潜在力があるとする調査結果を発表しています。
風力や地熱の潜在力大きいと発表 東北のエネルギー調査 – 47NEWS(よんななニュース) :

また最近明るいニュースが連続しているのが地熱発電です。
東芝、ニュージーランドの地熱発電所向け設備を受注 – ITmedia ニュース
「地熱」輸出、官民タッグ インドネシア試掘で円借款 (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ) :

こういった自然エネルギー発電を促進するためには、発電事業への参入障壁を取り除くことが絶対条件になります。政府主導のプロジェクトで成功したものなどはなく、発電と送電、配電で、発電の自由化を推し進めることでしょうが、まずは東北エリアに、東電エリアに売電するための電力会社設立を促進してはどうかと思います。

商社でも、製造業でも、東電以外の電力会社でも、あるいはまったく異なる分野からでもいいのですが、重要なのは事業として行わなければ、本当に必要なイノベーションは起こってきません。急ぐべきは発電方式を今決めることではなく、電力ベンチャーが起こるスキームをつくることなのです。

また、どの発電方式が望ましいかは市場が評価し、淘汰してくれます。電力自由化を進め、さまざまな発電拠点を東北にまずは集約させ、今後の東電エリアの電力を供給させればいいのでなないでしょうか。

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大西 宏
株式会社ビジネスラボ代表

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