本来なら不必要な化石燃料の調達で国富が流出し続けている

2011年10月27日 01:19

財務省が24日発表した2011年度上半期(4~9月期分)の貿易赤字額は1兆6666億円であった。これは第2次オイルショックで輸入額が急増した1979年度下半期(79年10月~80年3月期)の2兆3471億円に次ぐ赤字額だという。

日本の経常収支の推移(四半期データ)
日本の経常収支(四半期データ)
出所: 「日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門」藤沢数希(ダイヤモンド社)、財務省


この記録的な貿易赤字は、原発の再稼働ができずに、原子力を代替するために天然ガスなどの化石燃料を追加で調達しなければいけなかったからだ。日本の原子力をその唯一の代替手段である火力で補うと、化石燃料を輸入するために年間3兆円から4兆円ほどの追加的なコストがかかる。一方で原子力は、その発電コストに占めるウラン核燃料費の割合は1割以下であり、原発を稼働させなくても原発のランニングコストはかかり続けるため、原発を停止させることによるコスト削減はほとんどない。

つまり原発を止めることにより、年間3兆円から4兆円のコストが発生し、国民一人あたり年間3万円から4万円の負担となるのである。これは電気代の値上げなどにより我々一人ひとりが支払うことになろう。原発を再稼働させないコストである。このような形で莫大な国富を流出させ続けることが、はたして賢明なことなのだろうか。日本国民は今一度よく考える必要があろう。

GDP比で200%にも達する日本の政府債務にも関わらず、国債の長期金利も低位に安定し、円の信用も保たれてきた。そのひとつの理由は日本の恒常的な経常収支の黒字だともいわれている。長年続いた、この均衡状態を崩すきっかけは、原発の再稼働問題なのかもしれない。

参考資料
なぜ原発を止めると燃料費だけで毎年4兆円も損するのか? アゴラ
日本の原発の本当にヤバい問題 -ためこまれる使用済み核燃料、金融日記
良い貿易赤字、悪い貿易赤字、アゴラ

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