悩み深いバーナンキ議長と米国の雇用情勢 --- 岡本 裕明

2012年09月02日 11:06

投資家は貪欲です。金儲けのためにはニュースを自分の都合の良いように解釈し、悪いニュースは世の終わりといわんばかりの勢いで投売りをすることがしばしばです。

金曜日のアメリカ、ジャクソンホールでのバーナンキ議長の講演にどれだけ多くの世界中の投資家が注目したでしょうか? 私が知る限りでもかなりの注目の高さだったと思います。バーナンキ議長が9月のFOMCに於いて市場の期待する金融緩和を行う可能性を示唆するかどうか、その一言一言に興味が注がれました。


金融緩和に関しては結論的にはその可能性を否定していないということ、そして今後発表される指標でもっとも重要視されるのが来週金曜日に発表される雇用統計であることでしょうか?

議長はアメリカの雇用の回復度合いが緩慢であることに強い不満を示しています。出来れば6%台前半となるよう2%ベーシスポイントは下げたいというのが理想だったと思います。また、白熱する大統領選においても共和党のロムニー候補は雇用を最重要課題においています。

では金融緩和が雇用回復に繋がるか、という点については金融機関が融資の扉をもっと開けるかどうかにかかっているし、仮に事業拡大や起業して(結果として雇用が増えて)も十分な売り上げを伴う順調なビジネスが出来るかどうかは別次元であって金利水準が低いからビジネスが成功しやすいとは言い切れません。

ここがバーナンキ議長が悩んでいるところでありましょう。つまり金融緩和が作り出す雇用改善の効果には限度がある、と。いずれにせよ来週の雇用統計でネット15万人増程度あればさほどネガティブにはならない気がいたします。他の経済指標も比較的良好である点からして金融緩和の可能性は低いか、あっても市場の期待を下回るレベルのものではないかという気がします。

ところで金相場は暴騰、1700ドルに手が届くところまで上がってきました。確かに金融緩和に期待する上げだと思いますが、ヨーロッパでも来週はECB、バンクオブイングランドが金融政策を発表しますし、スペインを巡る問題も休み明けから再び舞台に上がってくると思います。リスクオンーオフというより逃避資金的発想で金が再び買われる可能性もあるような気がします。再三申し上げるようですが、金融機関など専門家のこの秋から冬の金相場は往々にして強気であります。こちらにも注目する価値はあるかと思います。

今日はこのぐらいにしましょうか?


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2012年9月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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