日銀総裁候補「暴れん坊」黒田氏の辣腕に期待する --- 岡本 裕明

2013年02月27日 04:00

黒田東彦アジア開発銀行総裁、68歳。日銀総裁候補者であります。

この数ヶ月間、次の日銀総裁ポストに誰が座るのか、さまざまな名前が取りざたされ、挙句の果てにウォールストリートジャーナルまで同紙の考える5人の候補などと、海を渡ったところまで日本の中央銀行総裁の名前が取りざたされるというのは実に異例のことだったと思います。


絞り方のポイントはいくつかあったと思います。

政府寄りの考えかどうか。
日銀プロパーかそうでないか。
財務省出身かそうでないか。
学者か実務派か。
国際派かそうではないか。
リフレ派かそうではないか。

このYES、NOゲームを進めていくと確かに黒田氏に行き着く可能性は高かったのだろうと思います。特に学者か否か、という点において多くの予想の中で学者の名前が有力候補として挙がっていましたが、個人的には学者がトップに立つのは不思議な感じがいたしました。黒田氏の場合、財務省出身、国際派、バリバリのリフレ派でインフレターゲット論者、更にはアジア共通通貨構想もお持ちでした。もうひとつは長く外国での活躍でしたから日本での批評が少ないという点があるかもしれません。

黒田氏ですが最終的に総裁の椅子に座るか、といわれれば座る、と断言してもよいと思っています。衆議院はともかく、参議院で承諾を得られるか、という心配については民主党はOKするだろうと見ています。なぜなら、民主党に今、反対する力がないのです。今、反対の声を上げたら夏の参議院選にマイナス効果になることは確実であります。

では黒田氏が日銀総裁として辣腕を振るい始めた場合、どうなるかという点ですが、これは想像以上にかき回すかもしれません。黒田氏は日銀キラーでしたからその日銀のトップになるということは既存の体制を打破する姿勢を強く打ち出すはずです。日銀の支店長が目を丸くするようなことが次々と起きるような気がします。

組織において新たな上司が来た場合、基本的には前任者の否定をするものです。これは世の常、と考えてもよいかと思います。特に黒田氏の場合、色濃い方ですから名前からしても白川色の白っぽい色から黒田色の濃い黒色に変えていきます。つまり、日銀の常識が変わる可能性は大いにあるかと思います。

実を言うと白川氏が就任した際、ある財務省の方から非常に優秀なので期待できる、とコメントされたのですが、私は彼の手腕はエリートサラリーマン的枠から出ないお坊ちゃま政策だと思っておりました。つまり、失敗もしないけれど成功もしないというタイプであります。一定の荒波はこなせるが、それ以上になると沈没するタイプであり、安倍台風で撃沈されたわけであります。

黒田氏は多分強い性格ですからあとは日銀、財務省、政府、国民、世界の中銀や財務省をいかに自分の見方にしながら日本の金融政策を進めていけるかが注目点となるでしょう。私はこの人事は面白いと思っています。安倍丸が求めるカラーであることは間違いないでしょう。

もうひとつ、黒田氏が総裁を務めるアジア開発銀行ですが、これは日本がその総裁の椅子の継続を死守しなくてはいけません。いつも総裁は日本という批判は出るはずですが、それは世銀でもIMFでも同じことが起きています。日本は出資比率はアメリカと並び一番なのですからどんな批判があろうともその椅子だけは守ることを安倍首相が自分の好きなカードを引いたお返しとしてしてあげるべきでしょう。

今日はこのぐらいにしておきましょうか。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年2月26日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。

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