見直したい中途採用における人材紹介会社の活用法 --- 中尾 英明

2013年12月08日 06:00

私は新卒、中途問わず、経営者の方々に対して採用や教育についてコンサルティングを行っておりますが、中途採用について、最近うまくいっていないお話をよくお聞きします。皆さんの企業はいかがでしょうか? 中途採用は主にエージェント(=人材紹介会社)や採用広告媒体を経由し、採用を行うケースが多いと思いますが、うまく活用出来ていないばかりか、ともすると無駄なコミュニケーションばかりが発生し、かえって効率が悪くなってしまう、といった現状があります。


今回はその「中途採用」をテーマにどのような改善を行えば、中途採用が効率的かつ効果的になるかを述べていきたいと思います。

中途人材を活かし、いかに企業力を伸ばしていくかはどの経営者、企業も抱えている問題だと思います。私自身のこれまでの経験で培ったノウハウ、現状に合わせた対応策を含め、考えを述べていきますので、ご参考になれば幸いです。

1.価値を問われるエージェント

前述の通り、多くの企業が中途採用をする場合、エージェントや採用媒体を利用することが多いと思います。

中途採用を長くお手伝いする中で、最近、特にエージェントの質が低下してきているように思います。エージェントは転職を検討されている求職者に中途採用を実施している企業を紹介し、その成約によって手数料を得るビジネスモデルです。

そのため業績を上げるには、なるべく多くの方を企業へ紹介すること、結果、分業により業務を効率化させることが求められます。分業とは中途採用を実施している企業を開拓する人と求職者の対応を行う人がそれぞれ別々に活動し、とにかく求人票と履歴書をマッチングし続け、たくさんの成約を上げることが求められます。

その弊害として生まれてくるのが、エージェントのほうで企業が求める人材を理解し切れていない状態のまま、多くの人材が紹介されていく、といった問題が起こります。最近はそれが顕著になってきているように思います。その結果、本来、企業がエージェントを利用する大きな目的の一つである「効果的」「効率的」に求める人材に出会える、といったことから逆の現象が起こってしまっているように思います。

もちろん、すべてのエージェントがそうだと申し上げるつもりはありませんし、企業側と求職者側の両方を一人で担当しているエージェントもたくさんあります。ですが、大きな流れとして、エージェントは今、その価値が問われているのではないでしょうか。

2.サービスの使い分けとフォローで効果的な採用活動を

そういった現状の中で中途採用をより効果的、効率的にしていくためにはエージェントの特性を理解した上で、その使い分けを行うことが重要だと思います。

分業による質の低下を述べさせていただきましたが、前述させていただきましたように小規模、中規模エージェントの中には企業側と求職者側の両方を一人で見ながら、精度の高い紹介を行うエージェントもあります。こういったエージェントの多くは抱えている求職者の母数が決して多くはないものの、こういった小規模、中規模エージェントも採用数がそこまで多くない企業にとっては視野に入れる必要があると思います。

まず皆さんには自社が現在、エージェントの有効活用が出来ているか、一度、見直しを行っていただくことをお勧めします。自社にとって本当に価値のあるエージェントとお付き合いが出来ているかどうか、その採用はあえてエージェントを使うべきなのかどうか、エージェントよりは採用広告媒体を使い、選考プロセスの効率化を実施することによる採用が実現出来ないかどうか、一度、整理してみてはいかがでしょうか。

私がサポートさせていただいている企業はこのようにサービスの見直し&使い分け、抜本的に行うことで、採用予算も下がり、業務も効率化し、求める人材の採用に成功しています。

採用確率をあげていくためには企業側のフォローも必要です。エージェントも人が行うサービスですから、エージェントとのコミュニケーションも重要になってきます。最近、自社で内定が出た方の経歴や好印象だったポイントをエージェントに伝えたり、求職者に聞かれそうな内容をQ&Aとしてまとめてエージェントに伝えたりすることなどもその一例と言えるかと思います。

このような形でエージェントと継続的なコミュニケーションを行い、常にエージェントの頭の中に自社を置いておいてもらうことにより、
優先的にいい人材の紹介を受ける確率を高めていくことが重要です。

今回は中途採用の方法の中でもエージェントにフォーカスして述べさせて頂きましたが、以前、中途採用の方法の一つとして「社員紹介」というテーマでも述べさせていただいておりますので、こちらも合わせて、ご参考にしていただければと思います。

中途採用=即戦力採用では無い

中尾 英明
クレスコ株式会社
代表取締役

66年東京浅草生まれ。株式会社リクルート入社。 新卒・中途採用のコンサルティング営業に従事。350社以上のクライアントを抱える。
96年日本における採用コンサルティング・アウトソーシングの先駆けとなるレジェンダ・コーポレーション株式会社の立ち上げに参画し、
取締役に就任。自分の仕事観を更に具現化すべく、09年4月、クレスコ株式会社を設立。人事にまつわる経営者の目線と実務者の目線の両方を熟知した上での各種講演、コンサルティング等に全国を飛び回る。

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