スーパーボウル、チケットも広告放映料もうなぎ上り --- 安田 佐和子

アゴラ

第48回スーパーボウル、シアトル・シーホークス対デンバー・ブロンコスとの頂上戦がニュージャージー州に建つメットライフ・スタジアムで開催されます!ハーフタイム・ショーは、ハワイ生まれのポップ歌手ブルーノ・マーズが務めます。

NY都市圏で初めてとあって、マンハッタンからニュージャージー州まで大盛り上がり!ここ数週間、最高気温はマイナス2—3度、最低気温だとマイナス15度くらいまで落ち込んでしまって心配していましたが、幸い2日には最高気温が9度まで上昇し最低気温もゼロ度とあって、ひと安心です。

タイムズ・スクエアに「スーパーボウル・ブルバード」を設営し、寒波も忘れて大興奮!

superbowl-nbc

(出所 : NBC)

ついでに、チケット料金と広告料金も気温とともにうなぎ上りでした。

往年の大人気ドラマ「フルハウス」のパパ3人が再集結するとあって話題沸騰したダノンに始まり、自動車メーカーのGMから男性用デオドラントのアックスまで、何十社がアイデアを競ってコマーシャルを放映します。国民の3分の1が視聴するだけに趣向を凝らしたCMは制作費はもちろん、放映料の高騰が目覚ましい。2014年分のCMは、30秒で400万ドル(4億800万円)!!前年の380万ドルから5.3%も上昇していました。

以下、30秒ごとの価格をご覧下さい。

2000 – $2,100,000 31.3% 年末にITバブル崩壊

2001 – $2,050,000 ↓ 2.4% 同時多発テロ事件発生

2002 – $1,900,000  7.3%

2003 – $2,100,000 ↑ 10.5%

2004 – $2,250,000 ↑ 7.1%

2005 – $2,400,000 ↑ 6.7%

2006 – $2,500,000 ↑ 4.2%

2007 – $2,600,000 ↑ 4.0%

2008 – $2,700,000 ↑ 3.8% 金融危機が発生

2009 – $3,000,000 ↑ 11.1%

2010 – $2,800,000  6.7%

2011 – $3,000,000 ↑ 7.1%

2012 – $3,500,000 ↑ 16.7%

2013 – $3,800,000 ↑ 8.6%

2014 – $4,000,000 ↑ 5.3%

(出所:boydsbets

ご覧のように、2000年以降で下落したのは3回のみ。ITバブル崩壊と同時多発テロ事件の痛手を受けた2001年と2002年、金融危機発生から2年後の2010年だけだったんです。もうひとつ、気がつきましたか?はい、下落した翌年は下がった分を完全に取り戻しております。特に2001—02年は2年間で9.7%下落したものの、2003年には10.5%も跳ね上がったのが印象的。ちなみに、スーパーボウルが初めて開催された1967年は30秒で4万ドルですから、47年を経て100倍ですよ!

チケットも、もちろん値上がりを示しています。チケットIQによると、平均のチケット価格は2月1日のNY時間午後11時45分時点で3064ドル(31万2630円)也。グラウンドから一番遠く、かつ安い価格で1600ドル(16万3200円)といいますから、庶民には夢のまた夢・・。マイナス気温がたたり1月半ばには前年比で2002年以来の低水準まで下落したものの、気温上昇を確認し価格まで上振れしたんです。なおNYポスト紙によると2013年は2512ドル、2012年は3127ドル、2011年は3513ドルでした。2013年は開催地はルイジアナ州ニューオーリンズ(ボルティモア・レイブンズVSサンフランシスコ・49ナーズ)、2012年はインディアナ州インディアナポリス(ニューヨーク・ジャイアンツVSニューイングランド・ペイトリオッツ)、2011年はテキサス州ダラス・フォートワース(ピッツバーグ・スティーラーズVSグリーンベイ・パッカーズ)となっています。

ニューヨークという世界のメトロポリス圏で開催するだけに、警備は厳重に厳重を重ねます。NYジャイアンツとジェッツのホームであるメットライフには通常、車で25分程度で到着しますが、スーパーボウル開催当日の車乗り入れはチケット保有者以外は禁止。現地までは、公共輸送機関であるバスを利用するしかありません。

バスの価格は、公共輸送機関だと往復10ドル(1020円)。これが私営サービスを使うと往復51ドル(5100円)といいますから、スーパーボウルの熱狂ぶりが伝わるというものです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年2月3日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。