7月末に夏の嵐到来、ダウ平均は年初来リターンがマイナスに --- 安田 佐和子

2014年08月01日 15:31

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7月31日、米株市場は大荒れでしたね~。

ダウ平均は安値引けし、終値ベースでは5月22日以来の16600ドル割れ。2月3日以来で最大の下落を演じました。さらに年初来リターンでは、マイナスに反転する始末です。S&P500も大幅反落し安値引け、6月4日以来の1930p割れに接近しつつ75日移動平均線の手前でクローズ。2%の下落率は、4月10日以来でしたね。ナスダックも大幅反落し、約2週間ぶりに4400p割れで取引を終えました。月足ではダウ平均とS&P500が6ヵ月ぶりに反落、ナスダックは4ヵ月ぶりに反落しています。

下落要因は

1)アルゼンチンの債務不履行
2)ポルトガル大手銀エスピリト・サントの増資観測
3)エクソン・モービルの決算
4)決算発表の一巡で、利益確定売り
5)月末の調整売り

アルゼンチン債務返済交渉、当方が勤務するビルで同じビルで行われていたとは……。
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1)から5)もさることながら、本丸は米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文と米4-6月期雇用コスト指数のフュージョンでしょう。上記の1)と2)が理由なら、金先物と円が買われていたはず。ところが金先物は14.1ドル安、1.09%安の1282.8ドルで引け。ドル円も、午後5時頃の引け値で102.80円付近と前日比ほぼ変わらずでした。これは、ドル先高観の表れと捉えられます。

普段はあまり注目されない経済指標、米雇用コスト指数が大幅安の火付け役となったと考えられます。賃金と福利厚生そろって近年稀に見る伸びを達成し2008年7-9月期以来、すなわちリーマン・ショック時点の水準まで回復したのですから。イエレン・ダッシュボードに関わる指標であり、FOMC声明文の文言がインフレ・タカ派寄りに傾いた理由が頷けるというもの。

そうなると、QE終了後に「長きにわたる」低金利を経て順当に利上げとなりますが・・・2015年半ばから前倒しというシナリオも排除できません。2004年の経験則も、留意しておきたい。アルゼンチンやポルトガルなどの要因もさることながら、やはり主犯はFOMC声明文と拝察します。

金融政策の正常化をにらみ、市場関係者にはあの時のチャートを思い出した方も少なくないのでは?そう、2011年7月当時です。

あのときは原油高に見舞われインフレ上昇圧力が掛かり、Fedは4月に「中期的な金融政策」の会合を経て議事録で出口戦略の道筋を表明しました。

現状でも、「中期的な金融政策」会合が行われていましたよね?

もうひとつ金融政策でいうなら、ちょうどQE2があと2ヵ月で終了する時期にありました。現状では、10月に終了宣言が出される見通しです。

確かに2011年8月の米国格付けの引き金となった債務上限引き上げ交渉を予定しないものの、政治リスクとしては中間選挙を控えます。

あのときのように夏場の調整を迎えるリスクも?
2011july

当時は、終値ベースで7月高値から10月にかけ最大で15%下落しました。このケースに当てはめるならば、14550ドルがターゲットになります。

そういえば、7月FOMC直前に発表されたFedサーベイでは、市場関係者の34%が超低金利政策の終了後に「株価暴落、インフレ急伸、リセッション」を予想していました。市場関係者の間でこうした懸念がくすぶるということは、相場を読む上で念頭に置いておきたいところです。

(カバー写真 : Tripp)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年7月31日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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