ビジネスパーソンも「ビフォー・タックス」で考える時代へ --- 内藤 忍

アゴラ

社員として仕事をしていた約25年間と、自分の会社で仕事をはじめた2年間。大きな違いは、「アフター・タックス」から「ビフォー・タックス」に発想が変わったことです。

会社から給与をもらって仕事をしている時は、給料日に振り込まれるお金は税引き後(アフター・タックス)です。税金がいくら取られているかは、たまに気になることがあっても基本的には、源泉徴収されてしまっているため、真剣に計算してみることはありませんでした。


しかし、自分の会社で仕事をするようになると、収入から支出を差し引き、利益に対して課税されるという流れが明快に見えてきます。税引き前(ビフォー・タックス)で金額を見る習慣がつきますから、利益の中からどのくらい税金を払わなければならないかが、リアルに感じられるのです。会社の決算が終われば、所定の法人税を会社の預金通帳から振り込むことになります。

このように、給料をもらって仕事をしている人と、給料を払って仕事をしている人では、同じ現象でも見方が正反対に見えたりするものです。

しかし、これからは社員として給料をもらって仕事をしている人であっても「ビフォー・タックス」で考えることが大切になってくると思います。実際、一部のビジネスパーソンは、不動産投資の減価償却などの費用を使って、所得税の引き下げをしています。これは、合法的なタックス・コントロールの方法ですが、「アフター・タックス」で考えている人には、思いつかない発想です。

会社務めで年収1000万円といっても、それは「ビフォー・タックス」の金額に過ぎません。自分が使えるお金は「アフター・タックス」になっていることに気が付いているのでしょうか。

2つの金額の差である税金も、自分でコントロールできるという意識を持てば、会社勤めのビジネスパーソンであっても、これから何をすべきかが見えてくると思います。

税務に関しては、正しい知識は最終的に専門家である税理士に相談することが必須ですが、メールマガジンでも、情報提供を行ってまいります。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年10月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。