起業直後からテレビ新聞に取り上げられる会社の秘訣

2015年02月23日 07:00

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どうも新田です。我が家は都心の一等地にありますが、あまりにも狭いのでお貸しできるスペースはございません。ところで、月曜の日経朝刊といえば中小新興企業面が面白いわけですが、月刊広報会議3月号の「成功するベンチャーPR」特集の中で、スタートアップ界隈で話題のスペースマーケットがなぜ創業1年でメディア出まくりになったのか、を取り上げられておりまして、知名度・宣伝費がゼロに近い中小ベンチャー、スタートアップ界隈の経営者、広報担当者は必読の内容でございます。


同社CEOの重松くんは実は大学時代の語学クラスメートで、高田馬場駅前のコンパの折に「俺は酒を何杯飲んでも酔わなねー」と目をぎらつかせていたのが懐かしい思い出です。NTTに就職したのは知ってたのですが、卒業後10年近く連絡を取らないうちにいつの間にか脱藩していて驚いた次第でした。NTT時代の同期の方が起業したフォトクリエイトに移籍した後に交流が復活して同社主催のビジネスセミナーで講演もさせていただいたのですが、上場に貢献した後、自称「遅れてきたナナロク世代」よろしく40手前で満を持して起業。昨年はスタートアップ界隈の数々のプレゼン大会でグランプリ総なめ状態で、現在は日本版シェアエコノミーの旗手の一人として注目されております。同社の名前は知らなくても「古民家で企業の研修」的な露出は見た方もいるんじゃないでしょうか。

※古民家、野球場、酒蔵、大使公邸・・・話題性のある空間が並ぶ(スペースマーケットより)
スペースマーケット
◆社会問題と絡めた切り口
細かい具体的なPRテクは、広報会議を読んでいただきたいと思いますが、私もプレスリリースの講演でよくお話しするように、経済トレンドや社会問題と絡めたPRの切り口をしっかり設定していることがメディアに取り上げられるポイント。彼の場合はまさに「シェアエコノミー」や周辺ビジネスで、空き家問題などを絡めて、うまくアプローチしていたようです。

振りかえると、ここ数年、起業直後でマスコミ露出しまくった先例がビズリーチ。今でこそエグゼクティブ転職サイトとして抜群の知名度を誇り、社員数も5年間で4人から348人に急成長しましたが、2009年4月のサービスローンチ時点では無名の存在。しかし六本木ヒルズに当時あったナンパの名所としては旧跡のハートランドで開いた開業イベントにはいきなり記者60人、テレビカメラ6台が来る離れ業を演じたわけです。このイベントもまさに「経済トレンドや社会問題と絡めたPR」。ピンクスリップパーティーという、金融マンとヘッドハンターのメリケン式お見合い転職パーティーを日本で初めて開催したわけです。ピンクスリップとは解雇通知書の俗称。クビ切りが普通のメリケンでは通知書を持った人たちがヘッドハンターとの出会い方もパーティーになっているという話題性や娯楽性があり、リーマンショックから半年の世相だった当時の社会性もあって、メディアの注目を集めました。

社長の南さんとその半年前に知り合って野球談議の飲み会とかやっていたんですが、実は当初、このイベントに懐疑的だったことは、この本で知りました。


しかし提案した敏腕広報T嬢の圧倒的なクリエイティビティ―とバイタリティーで南さんの予想を良い方向に覆すわけですが、企業PRの若手の皆さんはこのあたりの裏舞台を書いた本をご参照することをお薦めします。

◆メディアインサイトを知る
さて、広報会議のスペースマーケットの記事を読んでもうひとつ印象に残ったのはプレスリリースは創業1年で3回(取材当時)しか出していなかったとのこと。まさにPR業界でいうところのコンテンツが「自走」している理想的な展開なんですが、商品やサービスの魅力が伝わるために彼は知人の記者さんに徹底的に刷り合わせています。彼はサラリーマン時代にすでにFacebookの友達の数が2000人を超えて、記者だけでなく、ベンチャー界隈のキーパーソンを抑えておりまして人脈の凄さには圧倒されました。彼の10分の1でも人の懐に飛び込むコツを知っていれば、僕ももっと社長や政治家のクライアント増やせるのに(泣)

PR会社でも先進的なところは懇意にしている記者やディレクターにメディアヒアリングを事前に何度か行っています。せっかく仕込んだプロジェクトがダダ滑りしないよう、「仮説」の精度を確認し、助言を元に修正することでアウトプットの成功確率を高めます。そういえばビズリーチも南さんがパイロット版の会員に、信頼のおける仲間をご招待し、私や何人かの記者も助言していたものです。T嬢も仲良しの記者さんによく相談されているようです。

◆炎上マーケの「無意味化」
社会性を踏まえたコンテンツを作る。メディアインサイトやオピニオン(専門家)インサイトと刷り合わせて仮説を設計する。少なくてもそこまで熟慮を重ねたプレスリリースであれば、安直な炎上マーケに走る必要はおのずと無くなるんじゃないでしょうか。私もこの2年、色々と小さな企業をお手伝いしておりますが、このあたりの文脈を社長さんや広報さんがご理解されていれば8割方、テレビか新聞に取り上げられています。

ちなみに広報会議では珍しく、やまもと隊長が寄稿されておりまして、炎上を画策していたイタい事例を痛烈かつ的確に論評されてますので面白いです。ちなみにこの記事は一切ステマではございません。もしそうだったら炎上しちゃうやん(汗)。ではでは。
新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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