日経と美人社長の転職サイトが提携

2015年06月11日 12:30

どうも新田です。典型的な煽り見出しでテヘペロなこの頃です。以下は新聞業界出身者として70%くらい真面目に書いております。ウォンテッドリーといえば、ビズリーチと並んでベンチャー界隈の転職サービスでは社長のメディア露出が多くて目立っている存在で、社長の仲暁子さんには3年前、まだスタートアップだった時代に私のプレスリリース講演にご参加いただいたことがあるのですが、いやはや、話題性と華やかさのあるベンチャーとはいえ、日経新聞さんが第三者割当てに応じるというのは、さすがに驚いた次第。某出版社系有名ネットメディアのカリスマ前編集長も「日経、振り切るね」と感心してました。


M&A image
■日経が出資した狙いとは?

日経、SNS通じた人材仲介会社に出資
日本経済新聞社は10日、ビジネス交流サイト(SNS)を通じて人材仲介サービスを手がけるウォンテッドリー(東京・港、仲暁子社長)に出資したと発表した。出資額は約1億円。出資に併せて、新興企業向けの転職関連サービスなどで同社と業務提携する。

さようですか。そういえば日経さんはグループ内に日経HRという人材会社があり、日経キャリアNETという転職サイトも運営していてカニばるんじゃないかと思いつつ、この住み分けはどうなんでしょうか。

※ウォンテッドリーへの出資を封じる日経記事
nikkei

日経は10日付でウォンテッドリーの第三者割当増資を引き受けた。出資を機に、各種の共同イベントやキャンペーンを通じて、同社とつながりのある若年層、新興企業などに向けた情報発信に力を入れる。また、これまで日経グループで提供してきた転職関連サービスの拡充にも取り組む。

あー、なるほど。要は顧客(転職者)ターゲットが違うわけですね。このあたり、東洋経済オンライン時代の佐々木紀彦さんの考え方によれば、ビジネスメディアのポジショニング的に日経は「オールドエコノミー(≒経団連)×シニア」。一方、佐々木さんが東洋経済オンラインの再建開始時、ならびに移籍先のNewsPicksで目指したのが「ニューエコノミー(ベンチャー、≒新経連)×U40」。佐々木さんはこの差別化でメディアイノベーションのカリスマとして存在感を出せたわけですが、その界隈で注目される二大意識高い転職サービスがビズリーチとウォンテッドリーであり、前者は経営幹部、後者は正社員から業務委託まで多様な雇用形態の従業員ターゲットとそれぞれ住み分けされております。

もうここまで書くといわずもがな、日経キャリアはオールドエコノミー寄り。しかしここに来て日経さんが、突然、ウォンテッドリーにアプローチをかけてきたのは、新聞業界の遠くない将来の絶望市場化を見越し、まだ資金的に余裕がある今のうちに新市場を開拓し、ニューエコノミー界隈に橋頭堡を築いておきたいのではないかと推測いたします。その意味では、NewsPicksの親会社であるユーザベースあたりこそ、ウォンテッドリーと何らかのタッグを組んでおけば、とも感じますが、新興メディアと転職サービスの関係構築の動向は今後も興味深いですね。

■再編の兆しがない新聞業界
ところで大手新聞絡みのM&Aといえば、テレビも含めてメディア再編が、ライブドアのニッポン放送株買収以降、何度か可能性が取りざたされてきたわけですが、業界に激震の走る再編どころか、朝日新聞とテレビ朝日が株を持ち合うとか、あるいは潰れかけの毎日新聞が夏春の甲子園大会を、春の主催は毎日・共催は朝日、夏の主催は朝日・共催は毎日にして読売牽制とみられる予防線を張ったりと、伝統的にチマチマしております。

むしろ、90年代に読売がヴェルディを日テレに売り払って、中央公論を傘下に入れたクラスの大型案件がもっと起きるのかと思いましたが、朝日が岩波と東洋経済を狙っている説だとか、時事通信がソフトバンクかヤフーに買われる説だとか、仮説にとどまっております。ちなみに楽天は某幹部によると、新聞社に全く興味がないようです。

そうした中で先日、私が取り上げた朝日新聞は新興市場へのスタートアップ投資を積極的にやる姿勢は見せておりまして、いくつか成約案件も出ております。お金を比較的持っている我が古巣も社運をかけたような戦略的投資に乗り出すのか、注目したいところです。

オリンピックの広告バブルが弾けた後を見据えると、どの新聞社も将来的な打ち手を考えておかねばなりませんが、ひょっとこの新興有名企業なんぞと違って、一等地に土地は持っていたりします。あの毎日さんだって竹橋の社屋震災倒壊と会社の破綻のどちらが早いかと言われながらも、なんだかんだ自社の土地なので、ある種のリバースモーゲージ的に担保を活用して、まだやりようがあるんじゃないか、小回りが利く分、いっそのこと田舎の工場や取材拠点は全部売り払って都市部に集約する選択肢も真剣に考えても独自性を出すのもありじゃないかと思いますが、このあたりノーブル内藤先生あたりの専門家にお聞きしてみたいな。誰か教えて。

日経新聞とウォンテッドリーのパートナー生活、共に幸あるものになっていただけばと祈念しております。ではでは。

新田 哲史
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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