アジア諸国間で、それぞれの好感度は? --- 安田 佐和子

2015年09月04日 12:33

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中国発のアジア危機再来との声が渦巻くなか、中国では抗日70周年記念式典が開催されました。アジアが善かれ悪しかれ注目される昨今、アジア人同士は互いをどのように捉えているのでしょうか?

ピュー・リサーチ・センターの世論調査が、教えてくれます。

アジア諸国で最も好感度が高い国は、日本でした。「好感が持てる」が71%に達し、「好感が持てない」はたったの13%。その差は58%ポイントに及び、他の追随を許しません。2位は中国で57%、インドが51%と続きます。

日本以外、「好感が持てない」との回答も比較的多くDIは20近くまで低下。

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(出所:Pew Research Center)

リーダーになると、話は変わります。中国は数々の領土問題を抱えつつ、習近平主席の支持率がトップで47%に及びました。安倍首相は43%、インドのモディ首相は39%。ただし、いずれも過半数を割り込んでいます。一方で不支持は、安倍首相が19%で最も少ない。モディ首相は28%、習主席は29%でした。

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(出所:Pew Research Center)

気になるお互いの好感度は、こちら。

日本にはマレーシアを筆頭にベトナム、フィリピン、オーストラリアの4ヵ国が好感度80%超えを成し遂げていました。逆に中国と韓国からは、低評価に終わっています。中国はマレーシアで78%だった半面、ベトナムでは19%、日本に至っては9%と極端に低い。インドに対しては、中国を除きほぼ及第点が続きます。韓国をめぐってはパキスタンをはじめ日本、インドが辛口の採点という結果になりました。

それぞれの国に対する好感度が、一目瞭然(自国は評価対象に含まず)。

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(出所:Pew Research Center)

チャートでは表示できないのが、年齢別動向。特に日本への好感度では、中国、韓国、ベトナム、インドネシアでは、明確に分かれていました。18歳~29歳の世代が日本にポジティブな意識を抱くに対し、50歳以上は後ろ向きで、その差は韓国で34%、ベトナムで24%、インドネシアで16%、中国で11%と広がっていました。4ヵ国の間で日本寄りはベトナム人の18~29歳層で「非常に好ましい」が59%に達した半面、中国の50歳以上は親世代の影響が色濃いためか55%が「非常に好ましくない」と回答していました。

中国との領土問題で懸念を示した国は、フィリピンが断トツで1位で91%に及びました。南沙諸島での中国による埋め立て問題で火種がくすぶるだけに、むべなるかな。2位はベトナムと日本が並び83%。ただ深刻度では尖閣諸島問題を抱える日本に比べ、南沙諸島問題を抱える上に北部で国境を接する事情もあってベトナムが強まりをみせています。

経済的な恩恵に浴しつつ、軍事面で中国への懸念は拭えず9ヵ国中6ヵ国で過半数に。

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(出所:Pew Research Center)

番外編として、オーストラリア人の視点をチェックしてみましょう。
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(出所:Pew Research Center)

調査は太平洋諸国10ヵ国(日本、中国、韓国、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、インド、パキスタン、オーストラリア)と米国で1万5313人を対象に、4月6日から5月27日に実施されました。従って中国株が上昇トレンドを謳歌し、中国景気ソフトランディング論が根強かった時期と重なります。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の船出が大きな話題を集めた頃でもありました。まだ半年も経っていないのに、これだけ様変わりすると誰が想像したでしょうか。

(カバー写真:epSos .de/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2015年9月3日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。


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