なぜ漫画のような現代アートに70億円の価値がある? --- 内藤 忍

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昨日は初めて企画した「現代アートセミナー」をSHINOBY`S BAR 銀座で開催しました。1万円という高額の参加費用にも関わらず、早々に満席。参加者の皆さまの期待の高さを感じましたが、講師をお願いした元麻布ギャラリー三井一弘さんの豊富な知識と経験に基づいたお話は「価値>価格」と呼べる素晴らしい内容でした。

セミナーは初心者でもわかる現代アートということで、印象派から始まる西洋美術の系譜を、サロン作家→印象派→ポスト印象派→キュビズム→構成主義→抽象表現主義→ポップアートという流れで説明。有名な作品には、アートの歴史において存在意義があることが理解できました。

写真は、アンディウォーホールと並ぶポップアートの代表作家ロイ・リキテンシュタインの「ヘア・リボンの少女」です(写真はネットから)。1994年に東京都現代美術館の目玉作品として、6億円で購入され、当時は「漫画に6億円払うのか」「税金の無駄使い」と都議会で批判されたそうです。

しかし、印象派からのアートの流れを理解すると、この作品が美術史上極めて価値のあるアート作品であることを納得できるのです。

ちなみにこの作品の市場価格は、他の類似作品との比較から推計して現在65M~75M(米ドル)程度とされています。6億円の作品が、70~80億円くらいに化けたということです(市場には出てこないので、正確な価格はわかりません)。税金の無駄使いどころか、意義のある作品の購入を20年以上前に決断した、目利きに感服します。このようなダイナミックな動きこそアートの世界のスケールの大きな面白さです。

桁違いの価格に目がクラクラした後、セミナー後半では、100万円以下でも購入できる、三井さんが目利きをした作品も紹介されました。50万円から870万円まで4つの作品があり、そのうちのいくつかは実物を見せてもらえました。そのうちの2点は、その場でセミナー参加者の方が購入を決定。別のもう1点も購入検討される方がいらっしゃいました。

人気の作品は3名の方の購入希望が集まったのですが、アートは一点もの。最初に手をあげた方が購入することになりました。実は、私が密かに狙っていた作品も、残念ながら受講者の方の手に渡ってしまいました。また、次回良い作品を探してもらおうと思います。

懇親会も盛り上がり、まだまだ奥深いアートの世界を垣間見ることができ、主催者というより参加者の気分で時間を忘れて夢中になった3時間でした。年内にまた2回目の開催を早速検討することにしました。詳細決まりましたら、今回と同じように資産デザイン研究所メールで先行案内いたします。

※毎週金曜日に配信している「資産デザイン研究所メール」。資産を守り増やすためのヒントから、具体的な投資のアイディア、そしてグルメな情報まで、無料でお届けします。メールマガジン登録会員数は、2015年9月17日に20,000人を超えました!


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2015年10月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。