米2月雇用動態調査、求人数は減少も新規採用は増加

2016年04月07日 06:00

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米労働省が発表した米2月雇用動態調査(JOLTS)で求人数は544.5万人と、市場予想の549.0万人を下回った。前月の560.4万人(554.1万人から上方修正)から2.8%減少し、3ヵ月ぶりに減少している。2000年の統計開始以来で最高を記録した2015年7月の578.8万人が遠のいた。なお米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は、改定値で従来の24.2万人増から24.5万人増へ引き上げられた。2015年平均22万人増にも届かなかったものの、2月には24.2万人増にあらためて加速している。

新規採用人数は前月比5.8%増の542.2万人と、大幅増に転じた。5ヵ月連続ぶりに減少した前月を超え、2006年11月以来の高水準。リセッションが開始した2007年12月時点の500万人という大台を18ヵ月連続で超えた。

離職者数は1.5%増の505.0万人となり、前月から増加に転じた。2007年4月以来の高水準だった2015年12月に続き、500万人台に乗せている。定年や自己都合による退職者は3.5%増の295.0万人となり、統計開始以来で最高だった2015年12月の308.8万人を視野に入れた。解雇者数は0.6%増の171.5万人と3ヵ月ぶりに増加し、3ヵ月ぶりの水準へ強含んだ

求人数以外は、華々しく増加に反転。

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(作成:My Big Apple NY)

求人率は3.7%。前月は3.8%となり、統計開始以来で最高となる2015年7月の3.9%に次ぐ水準だった。民間が3.9%となり、前月の4.1%から低下している。民間のうちサービスが軒並み低下し、特に金融が前月の4.7%から3.8%へ著しく鈍化した。そのほか貿易・輸送・公益をはじめ専門・サービス、教育・ヘルスケア、小売など軒並み上昇した。財生産業も建設が前月の2.8%から2.3%へ急伸した以外は弱く、製造業は2.6%から2.5%、原油安の打撃から鉱業に至っては前月の2.2%から1.2%へ急低下した。

就業者に対する新規採用率は3.8%と、前月の3.6%から上昇し2007年10月以来の高水準に並んだ。民間が前月の3.9%から4.2%へ上昇しただけでなく、政府も1.6%と前月の1.5%から上向いた。

自発的および引退、解雇などを含めた離職率は3.5%と、前月と変わらず。民間が前月の3.8%から3.9%へ上昇しており、政府は前月と同じく1.6%だった。自発的離職率は2.1%と前月の2.0%から上昇しつつ、2007年5月以来の高水準だった2015年12月の2.2%以下に終わっている。解雇率は5ヵ月連続で1.2%となり、2000年12月の統計開始以来の最低である1.1%に届いていない。

1月までの過去1年間で、離職者数は5940万人だったところ採用人数は6210万人だった。採用者の純増幅は、270万人増となる。求人1件当たりの競争倍率は3ヵ月連続で、1.4倍。景気後退に突入した2007年12月の1.8倍を下回る水準を維持した。

離職者数は、それぞれ

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(作成:My Big Apple NY)

――以上の結果を踏まえ、イエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。今回、採用率が再び上向いたため、合格した項目は2015年12月に続き9項目中5項目へ増加しました。1月の4項目を上回っています。以下は詳細で、()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字です。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004-07年平均 3.0%
現時点 3.7%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点)2.0%
2004-07年平均 1.4%
現時点 1.2%

3)自発的離職率—×
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004-07年平均 2.1%
現時点 2.1%

4)採用率—○
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004-07年平均 3.8%
現時時点 3.8%

5)非農業部門就労者数—○
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004-07年の3ヵ月平均 16.2万人増
現時点の3ヵ月平均 20.9万人増

6)失業率—○
2009年10月(最悪時点) 10%
2004-07年平均 5.0%
現時点 5.0%

7)不完全失業率—×
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004-07年平均 8.8%
現時点 9.8%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004-07年平均 19.1%
現時点 27.6%

9)労働参加率—×
2014年9月(最悪時点) 62.7%
2004-07年平均 66.1%
現時点 63.0%

――米2月雇用動態調査は求人数が減少し、新規採用数と離職者数が増加するなど前月からの逆転現象を確認しました。米2月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の増加と、整合的です。米3月ISM製造業景況指数が改善し製造業活動に改善がみられ、製造業にも回復の芽がすくすく延びる状況。明るい材料に包まれながら、米3月LMCIは惨憺たる結果であり、記録を更新していく力強さには欠けるのでしょう。

(カバー写真:decoded conference/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年4月6日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。

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