バドミントン選手処分〜アスリートに社会教育を

学生時代に芽生える「先輩・後輩」の上下関係を経験せずに、日本の社会構造を理解することは難しいのではないかと考え、私は日本の大学に入学。迷わず「体育会系」の運動部に入り、約4年間その世界を学ばせて頂きました。

その経験から、若い選手が先輩選手の誘いを断るのは非常に難しいことだと断言できます。特に先輩が憧れのスター選手であるならば、尚更です。

それでも、桃田選手は勇気を出して田児選手の誘いを断るべきでしたし、逆に行くのを止める説得をするべきでした。

そして、その理想論ともいえる困難なことを可能とするのは、やはり「教育」なのです。

私にも何名かのスポーツ・オリンピック選手との付き合いがありますが「若いのに大人だ!」と思える方と「年より幼いなー」と感じる方と両極端です。その傾向は、若い頃から活躍する芸能人にも見られるのですが、所属する協会や事務所、そして親御さんの教育によってかなりの差がついてしまうと感じています。

幼いころより、朝から晩までスポーツ一筋でやってきて、日本中からの注目と期待を一身に背負うような選手には、社会人としての常識を身に着ける教育プログラムが重要なのです(特に若くして大金を手にする場合は要注意です)。

今回、田児選手は無期限の協会登録抹消、桃田選手は無期限の試合出場停止の処分を受けましたが、この厳しい内容は、今後も事件が起こらないようにする為の戒めだと言われています。そうであれば、同等の厳しい処分を協会や所属チームの指導者にも課すことによって、教育の重要性を再認識するべきだと思います。

また、重要なのは更生プログラム。
次のオリンピックは無理だとしても、その他の処分を受けた選手も含め、ぜひ若い選手には東京オリンピックを目指すための復活のチャンスを与えて頂きたいと思います。


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年4月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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