18歳注目!小泉進次郎の面子が潰されかけている

2016年05月19日 06:00

どうも新田です。都知事選連載「翻弄」の続きはすぐ出したかったのですが、別件対応が重なってしまい、明日以降書きます(第1回未読の方はこちら)。ところで、参院選の告示日として濃厚な6月22日までまもなく1か月になろうとしているわけですが、きのうの日経朝刊の政治面にこんな記事が載っておりました。

自民、改革の具体化先送り 参院選控え有権者の反発懸念
自民党内で主要政策の規制改革や構造改革の論議が停滞している。小泉進次郎氏らが取り組む農政改革では農産物や農業資材の流通改革の具体策は秋以降に持ち越した。安倍晋三首相が意欲を示す同一労働同一賃金では「非正規の賃上げ」「正規の賃金維持」を強調している。7月の参院選を間近に控え支援団体や有権者の反発を懸念し、改革の具体化を先送りしている。(16年5月18日・日本経済新聞朝刊。電子版有料会員リンクはこちら

本気で改革が進むのか?「進次郎頼み」の空回りか?

現在、自民党が本気で改革やる気があるのかどうか、試されているトピックが「農政」であり、「社会保障の世代間格差の是正」であり、「同一労働同一賃金」であり、「外国人労働者の受け入れ」であるわけですが、これら諸々、参院選を前に利害の絡む“守旧派”のセンセイたちの抵抗で先送りという名のスルー、下手をすれば後退が余儀なくされる懸念が出ているというわけです。

ただ、記事中にも名前が出ている小泉進次郎さんを始め、若手や都市部選出の先生方が、風穴を空けようと党内調整や議論、あるいは大胆な提言を出したりして改革を一歩でも前に進めようとしているあたりは、2009年の下野前に比べて風通しも少しは改善されてきたようにも見えつつ、反面、進次郎さんの知名度・人気・メディアパワーによる世論喚起、国民へのアピールで正面突破を図りつつ、守旧派のセンセイ方の政治力と拮抗しているように見えなくもありません。

もちろん、進次郎さんの父譲りの発信力と胆力、そして同時期の父を上回っているであろう実務能力は目を見張りますし、農政改革の旗振り役として真摯に仕事をされています。ただ、ここまでの各種構造改革の取り組みアピールを拝見していると、総体的には、良くも悪くも「進次郎の発信力頼み」になっている感は否めないのではないでしょうか。

進次郎の“面子”が守られるのか?

特に、アゴラでも度々取り上げ、若い世代の関心が特に高い政策課題が社会保障制度の世代間格差是正です。過去の自民党の中では異例ともいえる、この問題への取り組みを提言した「2020年以降の経済財政構想小委員会」ですが、ここでも進次郎さんは事務局長に起用されており、その背景について以前産経新聞がこんな報道をしております。

小泉進次郎氏、また難役…農業に続き「聖域」の社会保障に切り込み
選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる予定の夏の参院選を前に、結婚や子育てなどに関する若者向けの施策を検討し、若い有権者を取り込む狙いもある。若年層にも人気のある小泉氏の起用は、突破力と実務能力の高さも評価されてのことだ。

最近なにかとPick拒否ブログ等で物議を醸しているNewsPicks界隈では、意識高い系ピッカーたちは進次郎好きが目立ちます。この間の彼らの政治ニュースの反応を見ていると、起用戦略、広報戦略の術中にハマったかのように進次郎マンセーのコメントが目立ちます。

要は、シニアシフトをしていた自民党が野党に先んじて、若い有権者のマーケットも総取りに来たかのように期待している向きも感じられるわけですが、そもそも小委員会での提言に過ぎず、党の決定事項ではありません(民間企業でいえば取締役会の遡上にすら上がっていない)。ましてや国会を通過するまでをゴールとすれば、まだまだ霧の向こうというのが実情ではないでしょうか。霧に迷い込む中で、せっかくの大胆な提言がボコボコにされ、気がつけばとんがった箇所がほとんど凹んでいた、なんてことになる可能性は十分にあるわけです。

それがなんとなく、進次郎さんの注目度の高さ、露出の多さについつい目を奪われてしまう余り、なんとなく政権与党の好感度アップにつながっているようにも感じられるわけですが、進次郎さんたちが懸命にぶち上げた提言も、老獪なオジさんセンセイたちに潰されてしまっては、いわば彼の面子が潰されてしまったわけで、そのあたり、しっかり継続的にヲチしないといけないと思うんですよね。

18歳の政治ウォッチングのケーススタディに

政策提言が最終的にどういう末路を迎えるのか、時には「あれ、そういやあの提言どうなったんだろう」と、思い返したり、あるいはメディア側も日々の生活で忙しい有権者に対して点検する機会を作る報道も定期的にやっていく意義があるのだと思います。

ここのところ18、19歳で選挙権を得る方々にどう政治リテラシーを引き上げるか、メディア論からの意見もいろいろあるわけですが、まさに、そういうニュースの見方なぞを指南して、「進次郎の面子」をベンチマークするのは格好のケーススタディであり、本気で改革するのか、投票の判断材料にしてもらえればいいのではないでしょうか。

ところで、進次郎さん界隈では、お父さんが元米兵の前で泣いて脱原発ネタの実質的な広報になっていたり、あるいは、彼の選挙区にかつて無謀にも挑んできた自称あいのりソーリこと、横粂クンは参院選東京選挙区に謎の出馬宣言をしたりと、後味微妙なニュースウォッチングの1日でした。ではでは。

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新田 哲史
ソーシャルアナリスト
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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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